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Side N
カレーも食べ終わり。後片付けも済ませて、すばらく三人でまったり…。

って!違うでしょ!
今はあ〜ちゃんを元に戻すことが先決じゃ!

「ねぇ、ゆかちゃん。あ〜ちゃんどうやったら元に戻ると思う?」
「う〜ん。そうじゃね〜…。」

「ちゅーでもしてみる?」
「へ?」

ゆかちゃんに抱っこされているちびあ〜ちゃんと目が合う。
だから、何でちびあ〜ちゃんまで赤くなるんよ?

「なななぁ!にゃにを言っとるんよ!ゆかちゃん。出来るわけないじゃん!」
焦りすぎて噛みまくってしまった…。

「ゃ、だって、よくおとぎ話であるじゃろ?」
「そ、そりゃ、そうじゃけどっ。」
あ〜ちゃんとキスだなんてwしかもちびあ〜ちゃんw

完璧に犯罪の域ではないですか?だ、大丈夫なの?
でで、でも、それであ〜ちゃんが元に戻るんだったら…。
にょっちは…にょっちはぁ!!

ぐぐっと拳を握り締めたところで、ちびあ〜ちゃんに呼ばれる。
「にょっち、ちゅぅしたぃん?」
ふにゃっと聞いてくるちびあ〜ちゃん。

「ぇ?いや、あぁ、まぁ…その…///」
言葉を濁してると、ゆかちゃんの膝からあたしの目の前にやってくるちびあ〜ちゃん。
「にょっち、目ぇ、閉じて?」
「ぅえ?」
ままま、まさか?ちび、ちびあ〜ちゃんがぁ?


言われるまま目を閉じるあたし。
そ〜っと近づいてくる気配に、緊張する。
そして、唇に触れた感触…。

ん、ん??
…なんか、ふあふあなんすけど?

そっと、目を開けてみると、そこに見えたのはクマさんで…。

「にゃははwにょっちだましゃれたぁ。」
ひょいっとクマさんの後ろから顔を覗かせてくるちびあ〜ちゃん。
「のっちぃ、何期待しとるん?」
ゆかちゃんにも笑われ。

あ〜〜、期待した自分が、なんか恥ずかしいんですけどw
思わず溜息が…。

「あぁー、にょっち…お風呂入れてくるわぁ。」
頭をぽりぽり掻きながら立ち上がる。まあ、お湯入れるって言っても、ボタン押すだけですけど…。

「ねぇねぇ、そういえばさ。あ〜ちゃんの持ってるそのクマさんて…。」
戻ってきてから、ふと思い出したこと。
「ん?こりぇ?」
「うん。それ、あ〜ちゃんずっと持っとるん?」
「そぅじゃよ?いっつも一緒に寝とるんよ?」
「へ〜、そっかそっかぁ。」

あれって、確か結構前にあ〜ちゃんにプレゼントしたやつだよね?
まだ持っててくれたなんてちょっと感動。
『何でクマなん?』とか言いながらぶっきらぼうに受け取ってくれたっけ。
クマだからっていうか、そのぬいぐるみがふわふわしてて、気持ち良いからあ〜ちゃんみたいだなって思ったから。

「ありがとね。」
「ん?」
ちびあ〜ちゃんに言っても解らないけど、なんだか言いたくなったんだ。


『お風呂の準備が出来ました。』
機械的な声が聞こえてきて。
「あ〜ちゃん、にょっちと入る?」
なんて、懐いてくれてるみたいだから、ちょっと期待して聞いてみたけど
「イヤ!」
って、思いっきり振られちゃいました…。

ゆかちゃんが聞くと一緒に入るって答えるちびあ〜ちゃん。
なんか、それはそれで寂しいんじゃけど。

「んじゃ、二人で先に入ってきなよ。」
お風呂場に向かう二人。
「あ、着替え。」
とココであ〜ちゃんの着替えがないのに気付く。
なんだけど、なんとゆかちゃんが最初の電話で聞いた時に、もしかの為に買ってきてくれてたとのこと。
さすがゆかちゃんじゃ。抜かりがないね。

二人と交代にお風呂に入って、ほっかほかで上がってくると。

「あれ。あ〜ちゃん寝ちゃった?」
ゆかちゃんに抱かれてすぅすぅ眠っているあ〜ちゃん。
「うん。のっちに『おやしゅみなさい言う』ってがんばってたんけど。眠気が勝ったみたい。」
寝顔を覗き込む
「やっぱかわええな〜。あ〜ちゃん。」
「ふふ。ホンマ好きじゃね。」

「なはははwとりあえず、あ〜ちゃんベットに寝せてくるわ。」
ゆかちゃんから、クマさんと一緒にちびあ〜ちゃんを受け取りあたしのベットへと向かう。
ベットにそっと降ろして体を離そうとしたら、服をぐっと引っ張られる感覚。

引っ張られてるところを見ると、ちびあ〜ちゃんが胸の辺りを掴んでたらしい。
「にょっちぃw…むにゃむにゃ…。」
相変わらずの寝言も可愛いなぁ。
「はいはいwあ〜ちゃん可愛いよ。」
ちびあ〜ちゃんの頭をぽんぽんと撫でて、おでこに短くキスを落とす。
今の内にね?

服を掴む手をそっと外して、掛け布団をかける。


ゆかちゃんの所に戻ってくると。
「ねぇ、のっち。ホンマにあ〜ちゃん戻らんかったらどうする?」
こんなことを聞いてきた。

「んwwなにがなんでも戻す!」
「なんで?」
「やや、何でって聞く?」
「んにゃ、だって、今の方があ〜ちゃんのっちに優しいしぃ。」
うん。まあ、そうなんだけどね。

「そうじゃけど、優しくてもなんでも。やっぱ、今までの記憶が無いのは寂しいというか…ねぇ。
もっちろん!たとえこのままでも、ずっとあ〜ちゃんは護っていくのは変らんけどね?」
恥ずかしい事を言ってるけど、相手がゆかちゃんだから言える。
もちろんあ〜ちゃんにも…怒られながらね?

「はいはいはい!」
「はい。ゆかちゃん。」
勢い良く手を上げてるゆかちゃんを指す。
「じゃあじゃあ、ゆかはそんな二人を護っていくぅ!」
にゃはっと笑うゆかちゃん。

開いた口が塞がらない。
「も〜、ゆかちゃんには敵わんわw」

「にぇへへ。だって、二人は何にも変えられんもん。」
「うん。そうじゃね。あたしだって、きっとあ〜ちゃんもそう思っとる。」
きっと、三人ともソレは同じだよ。

ふぁ〜。
ゆかちゃんが欠伸を一つ。
「大丈夫じゃよ。のっち。絶対あ〜ちゃん元に戻るけぇ。うちらも寝よ?」
自信満々に言って、眠そうに、ふにゃと笑うゆかちゃん。
あたしも、訳の解らない納得をしてしまった。


その後、すでにちびあ〜ちゃんが眠っているベットに近づく。
「あ、ゆかちゃんベット使いなよ。」
「な〜に気ぃ遣っとるんよ。のっちあ〜ちゃんと寝てあげぇよぉ。」
「や、で、でも。またビックリさせちゃうといけんしぃ。」
「そんなん、気にせん気にせんw」

そう言いながら、ベットに押し込んでくるゆかちゃん。
「はぃはぃ。ごゆっくりどうぞ?」
「ごゆっくりてゆかちゃんw」
「おやすみぃ〜。」

そのまま、敷いてある布団へと潜り込むゆかちゃん。

あたしは、ちっちゃなあ〜ちゃんと向き合う感じ。
規則正しい寝息。ホントに天使みたいじゃ。

三人でぎゃーぎゃー、わーわー言って過ごしてきた日々は、ホント宝物みたいなものだから。
それを覚えてないなんて、勿体ないも良いトコじゃろ!

どんなに、厳しい言葉を言ってたって、それが本気じゃないって知ってるから。
時々言った後に、失敗しちゃったような顔をしてるのを知ってるから。

素直に言えないのが、あ〜ちゃんの好きの形だっていうのも判ったから。

…もしも、このままちっちゃくても、あ〜ちゃんはあ〜ちゃんだから。
また、あたしを好きになってくれるって思うのは、ただの自惚れかなぁ?

そんな、どうでもいい事を考えながら、そっとあ〜ちゃんを抱きしめてみる。

以前と変らない優しい香りに安心して、眠気がやってくる。

「あ〜ちゃん、お休み。…また、明日。」
今は、この小さな天使と眠ろう。


—つづく—





最終更新:2009年03月17日 18:10