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待ち合わせはいつもの所。
最近忙しかったけぇ、ちゃんとしたデートは久し振りじゃ。

チャリで来たの見たらあ~ちゃん、びっくりするじゃろな…

『のっち、歩いてくるって言ったじゃろ!?』ってちょっと怒るかもしれん。

でも、…なんか。

今日は、あ~ちゃんと二人乗りしたかったんじゃけぇ。

上り坂
薄いシャツの背中が汗で湿る
スピード落とすもんか。

あの子の所まで


自転車はぐんぐん進む

部活帰りの高校生があたしの速度にびっくりしとる。

あ~ちゃん、もう来とるかな…
『あ~ちゃん、待った?』
『…待っとらんよ』
…なんて。本当は待ったのに、そんな風に言ってくれたりするかもしれん。
もうすぐ坂を上がりきる
ほら、
てっぺんに見慣れたふわふわの黒髪


「あ~ちゃん、待った?」
「…のっち。何でチャリなんよ!?」

思わず吹き出す
あ~ちゃんの隣には赤いチャリが並んどる

「……あ~ちゃんもチャリ…?」

…なんだ。同じ事、考えてたんじゃね。


「手、繋いだまんまこげんかねぇ…?」

思わず言ってみる

「無理じゃろ」

つれないなあ…

あきれた顔したあ~ちゃんが自分のチャリを端っこに寄せた

…ふと後ろに小さな重み。

「あ~ちゃん?」
「…あ~ちゃんのチャリ調子悪いけぇ」


あ~ちゃんの言い訳を流してあたしのチャリは再び動き出す。
今度は下り坂

にやけるのはお腹に回ってる手がくすぐったいからだけじゃないよ。

「のっちー!」
「なーん?」

「……ちゅーしたい…」

ブレーキ音が晴れた空に高く響く
道行く人が途切れた一瞬の隙間、

キスで埋めた


end






最終更新:2008年10月10日 15:00