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季節はもうすっかり、秋になっていた。


キレイな紅葉が見れるのも、もうすぐ、そこ。


けど、
熟しているはずの、このココロは
少しずつ、身動きがとれなくなり始めていた。



今日も補習が終わる。


んー・・・


さすがに、引退した、受験生の身。
部室にも、気軽に顔を出せなくなってきていた。


どうしようっと
思いながらも
習慣とは恐ろしいもので
無意識のうちに、歩みは部室へと向かっていく。



ん?

部室から、なんだか
なんともいえない、雰囲気が漂っていた。


そっと、扉を開ける。


えっ・・・



あ〜ちゃんがいた。


扉が開いたいことに気付いた先生が


「あ、、いらっしゃい」


そのコトバに反応して

あ〜ちゃんが振り向く。


「…のっち」



「・・あ〜ちゃん、どしたん?」



あ〜ちゃんは
      • なんだか、今にも泣き出しそうな
そんな表情を浮かべていた。


そして、黙り込む。。。



「・・ちょっと、相談?、、、受けてただけ、だよ」


先生が答える。



「・・大本さん。ごめんね、今日はもう、部室閉めちゃうんだ…
 もちろん、現像したい、とかなら、全然使ってくれて大丈夫なんだけど?」


「あ、、、、いや、ちょっと顔出しにきただけなんで・・・」


「そっか、、、じゃ、またね」



先生の瞳は
あたしの方を見ながらも
漆黒のその奥は、、、、、



よく、状況が飲み込めないまま
あ〜ちゃんと一緒に、部室をあとにする。


あ〜ちゃんは、なにも言わずに
のっちの少し前を歩いている。

下駄箱で、靴を履き替え
校門を出る。


互いに、コトバを失ったままだった・・・

けど・・・

「あ〜ちゃん?・・・なんで、写真部の、、部室におったん?」


沈黙を破る。



「のっち?」

「ん?」


「この間、、、見ちゃったんだよね・・
 のっちの誕生日の前日、、、部室で、二人でおるとこ・・・」

「あ、、、」

コトバにつまる。

「あ〜ちゃんだったから、よかったものの
 他の人に見られたら、どうするつもりなん?」


全くもって、反論の余地がない。


「・・・のっち…、、、、ゆかちゃんのこと、、
 本気、、、なんだよ、ね?」




「ゆか、、ちゃん、、て、、、先生?」

たしか、下の名前は、有香、だったはずだ。


「うん」


「・・・うん、本気で好き、だよ」


「だったら、なおさら、、だと思う。
 バレて、大変なことになるの、、、先生、だよ?」


「本気で好き、だからで、すむようなことじゃないんよ?」



あ〜ちゃんの足取りが止まる。


振り返った、その表情は
長い付き合いの中でも、見たことのないものだった。


一瞬、視線を捉えられた。
かと思うと、すぐに
俯き、そらされる。


なにか、呟くのが聞こえた。
けど、小さすぎて聞き取れない。


「あ〜ちゃん?」


「ごめん、のっち」とあ〜ちゃんは続ける。


「あ〜ちゃん、ほんとはこんなこと
 言いたく、、ないんだけど・・・」




「ゆかちゃん、、、、“付き合ってる”人、おる、よ?」



「えっ、あ、、そなんだ」


「・・驚かないん、、、だね?」


うん、、、そだね・・


「いやぁ、、、まぁ、、、そうかもって
 …そう感じるようなことも、、、あったし」


それよりさ・・・


「てか、、、ゆかちゃん、、、て
 妙に、親しげなんだけ、、、ど?」


あ〜ちゃんは、俯いたまま


「…親戚、、、遠縁にあたる親戚のお姉さん、、、なんよ」


感じていた、違和感がなくなり
すっと、自分の中でおさまった。



「あ、なるほど、、、、、ね」


だから、、、なんかお互い
知ってるような感じだったわけ、、、だ。


「・・のっち?…それでも、、、いいの?」


あぁ・・・

「んー・・・よくは、、、ない、けど・・
 …それでも、、関係ないや」


そっと、顔を上げたあ〜ちゃんは
とても複雑そうな表情で・・・


「言ったじゃん?・・今までとは、、違うんだって…」


ごめんね、あ〜ちゃん・・

先生に、『誰』がいようと
先生が、のっちを傍においてくれるのなら
それだけで、十分なんだ。



あ〜ちゃんの瞳に涙が溢れ出るのが見えた。



「・・・のっちぃ・・・・
 今なら、、、引き返せ、、る、、、よ?」


初めてみるあ〜ちゃんに
胸の奥がざわついた。


けど


「・・・ごめん、、、ほんと
 今は、離れることは考えられんの、よ・・・」




あ〜ちゃん?


自分が思っていた以上に
のっちは、あ〜ちゃんを苦しめていたんだね・・

けど、、
全部含めて、、、、のっちが、自分で選んだことだったんだよ?






最終更新:2009年03月17日 18:57