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「はぁあ…金欠だぁー…」
お財布を覗くと出る溜め息。
…そりゃそうだよね、ゆかちゃん用の服やら買ったんだもん。しかもゆかちゃん用の服はちょいとお高めだし…。
「もうすぐ給料日だし、しばらく節約生活かな…」

とはいえ、こうして財布を覗いてばかりいても仕方ないし、ゆかちゃんを連れてスーパーにでも行こう。
「ゆかちゃん、お出かけするよー」
呼びかけると、とてとてと近寄ってきて首を傾げて見上げてくる。ゆかちゃんの目が「どこ行くの?」って言ってる。
「お買い物だよ」



キョロキョロと周りを見回すゆかちゃん。スーパーに来た事ないのかな?
はぐれないようになのか、のっちの手をぎゅうっと握って離れない。試食を差し出されるとのっちの腰にしがみついてくる。
…もしかして単なる人見知り?

そんなゆかちゃんが突然のっちから離れて走っていった。
「アイスコーナー…」
黒耳と尻尾が嬉しそうに動いて見える。
…でもねゆかちゃん。
のっちは金欠なんです。貧乏なんです。
しかもそれ箱のアイスじゃん。
たかが250円。されど250円。
今ののっちには確実に大ダメージなんです。


そんな現状を知ってか知らずか、ゆかちゃんは期待の眼差しで見上げてくる。
「ゆかちゃん、帰ろう」
ジー。
「ア、アイスはまた今度買ってあげるから」
ジー。
「うぅ…のっちお金持ってないんだって…」
ジー……ウルウル。
「……のっち、あぃす…」
「!!」
「あぃしゅ…たべたぃ…」
「…………………」



チーン。


ありがとうございましたー。
背中に虚しく響く元気な店員さんの声と淋しくなった財布の中。…寒い。身も懐も寒い。
「♪」
…はぁ…明日からお昼控えめにしなきゃ…。
「の、っち」
「ん?」
「ありがと…」
「……どういたしまして」
まぁ、ゆかちゃんが幸せそうだし…いっか。

  • つづく-






最終更新:2009年03月17日 19:09