待ち合わせ場所を見ると、2人はすでに待っていた。
やばい!怒られちゃう!
待ち合わせより5分も早く来たのにぃ…
「のっち遅ーい」
「まぁ、遅れんかったけ許したげる」
そう言う2人は物凄く浴衣が似合っていて。あたしはごめんを言う前に2人に見とれてしまっていた。
あ~ちゃん、りんご飴持ってる。似合うなぁ…
「さっ、行くよ」
ゆかちゃんの声で我に返る。
…あっ、あそこにあるのは射的!やりたい!
「ねっ、あっこの射的行っていい?」
あ~ちゃんの袖をつかんでおねだりしてみる。
「いいでしょう」
あ~ちゃん、少しおすまししてる。浴衣着てるからそんな気分なんだ。
射的は得意なんだよね♪
あたしはすぐに店に行って、銃を構える。
よーし、狙うはうまい棒の詰め合わせ…
「あー、あれ欲しいー」
と、ゆかちゃんの声。
指差してるのはプーさんのぬいぐるみ。
仕方ないなぁ、いいとこ見せるチャンスだし。
あたしは一回でプーさんのぬいぐるみを当てる。
「はい」
「ありがとー♪」
ゆかちゃん、笑顔。
かわいいなぁ。華奢な体に浴衣がよく似合って…
あれ、何か視線を感じるぞ…
振り向くとあ~ちゃんが羨ましそうな顔でこちらを見ている。
「あっ、そうだ金魚すくいしよっか!」
あ~ちゃんがにっこり。
ふー、よかったよかった。すねちゃったら大変。
あたしは金魚を5匹ほどすくって、あ~ちゃんにプレゼント。
これで2人ともご機嫌かな?
あれ?ゆかちゃんがいない…
あっ、しゃがんでひよこ見てる!
あたし達が駆け寄ると、ゆかちゃんは上目遣いで聞いてくる。
「うちの子たちと仲良くなれる?」
えっ、ひよこでしょ!?
「うーん、と…鳥とねずみは無理なんじゃないかな…。
大体脳みそ小さいから相手のこと認識でk…」
しまった…
ゆかちゃんが寂しそうな顔してる。
「あっ、ゆかちゃん、あそこ綿菓子があるよ」
「わたがし?」
ゆかちゃんが嬉しそうにピョンピョンしながら買いに行く。
「さっ、あ~ちゃんも買いに行こ!わたがし!」
あたしがあ~ちゃんの手をとると、あ~ちゃんなぜかふくれっ面。
「あ~ちゃんりんご飴あるけん食べれん」
…みんな奔放すぎだよぉ~
でもちゃっかり握った手はそのままにしてみたり。
ドーーーン
花火だ!
あたし達は花火の見えやすいとこに移動する。
気付けばあたしだけ何も買えてないじゃん…
けど、いいや。
2人ともいつもより楽しそうに笑ってるし、
あ~ちゃんとはしっかり手つなげてるし。
これだけでもお腹いっぱい!
そう思っていると、
花火と花火の間の静かで真っ暗な時間に、
あ~ちゃんの柔らかな髪があたしのほっぺに触れてきて。
あっ、りんご飴の香り…
あ~ちゃんのりんご色の唇が、あたしのほっぺたに触れた。
「のっち、大好きよ…」
ドーーーーーン
今日一番の大きな花火があたしたちを照らす。
また、来年も来ようね。
≪END≫
最終更新:2008年10月10日 15:13