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今日は天気も良いからと、ゆかちゃんを連れて公園に来ました。

「ゆかちゃん、鳩さん追い掛けないの」
ゆかちゃんが追い掛け回す度に鳩はクルッポーと鳴きながら逃げていく。
可哀相な鳩たち…。
「ん?あれ…」
何だか見た事あるような…あ!
「これ、マタタビだ…」

「のっちぃー」
そこへゆかちゃんがとてとて走ってきた。
「鳩さんはもういいの?」
「だって、みんなにげちゃったもん…」
しゅん、と悲しそうに黒耳と尻尾が垂れ下がった。そりゃあんだけ追い回してたら鳩も逃げるよ。
しかし、いつまでもゆかちゃんがしょんぼりしてる姿を見てるのは心が痛いので、よしよしと頭を撫でた。

…そうだ。
「ゆかちゃん、これあげる」
「?」
昔から猫マタタビ、女朗に小判って言うし。やっぱりゆかちゃんにも効くのかも。


しゃがみ込んでゆかちゃんにマタタビを差し出すと、頭に?を浮かべながら受け取ってくれた。

「…ぅ?」
「ゆかちゃん?」
ゆかちゃんは、そのマタタビの匂いを嗅いだり実をかじったりしてる。
…あ、目がとろんとしてきた。頬も紅く染まってきたし、やっぱり効いてるようだ。
「ごめんねゆかちゃん。もうこれ離し、っうわ」
突然、ゆかちゃんがガバッと抱き着いてきた。
耳元に乱れた呼吸が響いて、思わず心臓が跳ねる。
「ゆ、ゆかちゃん!?」
「ふぁ…のっちぃ…。ゆか、なんか…へん…」
「ごごごめんっ!のっちのせいだ…。えぇっと、どうしたらいいのかな…」
どうしよう、対処法は知らない。いや、あるのかもわからない。

…そういえば、確かマタタビを与えると恍惚するとか酔っ払うとか言ったっけ。
そう思って、とりあえずゆかちゃんを落ち着かせようと背中を優しく摩ってみる。
「にゃぅ!」
「!?」
ゆかちゃんの体がびくん、と跳ねた。
まさか…いやいや、漫画みたいな展開にならないよね…。大丈夫大丈夫、多分突然だったからびっくりしただけだよね、うん。


もう一度ゆっくり背中を摩ると、先程みたく跳ねたりはしないもののやっぱりぴくり、ぴくり、と小さく震えるゆかちゃん。
「ん…ゃ…」
「だ、大丈夫だからね…のっちがついてるけぇ」
「ふ…ん、」
こくん、と頷くゆかちゃんに少しホッとする。…もう少しかな?
「大丈夫…大丈夫だよ…」
「…ん…」
「……ゆかちゃん?」
「……」
だんだん重たくなる体。
「寝ちゃった、かな?」
まだ頬は紅いけど呼吸は落ち着いたようだ。すうすうと寝息が聞こえる。
そっと抱き抱えて立ち上がると、ゆかちゃんの手が無意識にのっちの服を掴んだ。

…もう、のっちに対する警戒心はすっかりなくなったのかな…。
思わず頬が緩みそうになるのを噛み殺して、ゆかちゃんを抱えたまま家路につく。


…それにしても、マタタビは今後一切ゆかちゃんの目の届く所には近付けないようにしよう…。
そう反省したのっちでした。

  • つづく-








最終更新:2009年03月29日 21:37