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「う〜…ん…」
なんだろ…?眠いのに、息苦しいっていうか重苦しいっていうか…。
とにかくのっちの体に何かが乗っかってる気がして、重い瞼を恐る恐る開けた。

「…なんだ、ゆかちゃんかぁ…」
ゆかちゃんはのっちのお腹の上にぎゅっとしがみつく形で乗っかっていた。
…相変わらず可愛い寝顔だよね、ほんと。
すうすうと安心しきった顔でのっちに乗っかって寝てる、この光景にどんどん頬が緩んでいく。

「そういや今何時…げっ!遅刻じゃん…」
しまった。とはいえ、もはや今から大学に行く気は起こらない。
…しょうがない。とりあえずゆかちゃんを起こして朝ご飯でも食べるか。
「ゆかちゃん、朝だよ」
「んー…」
ゆさゆさと体を揺らしても、むにゃむにゃ言いながら再び眠りにつくゆかちゃん。いつもながら手強いなぁ。
「ゆーかーちゃん、ほらほら起きて」
「ぅにゃ…」
「ゆかちゃーん」
「……ぁぃ、しゅ…」
「早く起きないとのっちがアイス食べちゃうよー?」


しかし、ゆかちゃんの耳がぴくぴくと反応するものの一向に起きる気配はない。
…こうなったら奥の手!

じゃーん!ねこじゃらし〜!

「ゆかちゃーん」
ねこじゃらしでゆかちゃんの顔を擽ると、僅かに眉間に皺が寄った。…お、いいかんじ。
更にゆかちゃんの鼻の辺りを執拗に擽る。…と。

「…っくちゅん!」
ゆかちゃんは小さくクシャミをして、ゆっくりと瞼を開けた。
「おはよう、ゆかちゃん」
「…のっちぃ、おはよぅ…」
眠たそうにぐしぐしと目を擦って、のっちのお腹から起き上がる。
…はぁ、ようやく息苦しさから解放されたよ…。
「顔洗っておいで。のっち、朝ご飯作っとくけぇ」
「…はぁい…」
でも大丈夫かなぁ、ゆかちゃん。なんかふらふらして足元が覚束ないんだけど。

—ごん!

「ふぇぇ…」
「ゆかちゃん、大丈夫!?」


案の定、ゆかちゃんは壁に激突した。涙目で頭を摩っている。
「…ぐす、だいじょぶ…」
「もう…眠くてもちゃんと前見なきゃ駄目だよ?」
「にぅ…ごめんなしゃぃ…」
しゅん、と垂れた耳と尻尾がなんとも可哀相だ。…しょうがないなぁ。

「…ゆかちゃん」
ぽんぽんと頭を撫でてあげると、ゆかちゃんがぎゅっとしがみついてきた。
「のっちはゆかちゃんの事が大切だから、怪我だってしてほしくないんよ…わかる?」
「うん」
「よし。ゆかちゃんはお利口さんじゃね」
「にへへぇ」
耳と尻尾が嬉しそうに動いてる。
…うん。やっぱり、ゆかちゃんには笑顔が一番似合う。

「のっちぃー」
「ん?」
でも。
「あぃす、おようふくにこぼしちゃった…」
「…はいはい。ほら、バンザイして」
「ばんざーぃ」

…結構手がかかるんだけどね。

  • つづく-






最終更新:2009年03月29日 22:15