陽は沈み、夜の訪れを告げていた。
「先生?もうそろそろ、陽も暮れてきたんですけど・・」
まだ、離れたくなかったけれど
これから、どうしたらいいのかもわからず
とりあえず、先生に聞いてみる。
第一、先生がここにきたワケも
未だ、よくわかんないし。
「うん・・」
先生は目を伏せる。
っ!?
静かな空間に響く着信音。
先生のケイタイ、だ。
先生はおもむろに
それ、を確認すると
応えるでもなく・・・
そっと、カバンの中にふたたび
ケイタイを片付けた。
「え、、、出なくて、、、ていうか
返さなくてもいいんですか・・?」
「うん」
呟く、先生。
そして、次の瞬間
「今日、、、、誕生日なんだ」って。
「え、、、おめでとうございます・・」
ダメだな、、、そんな言葉しかでてこなかった。
ふと顔を上げた先生と目があう。
キレイなその瞳から目が離せない。
「わがまま、、、聞いてくれる?」
「うん・・」
それ以外に、なんと応えればよかった?
先生が、近寄ってくる。
のっちの隣に、ちょこんと座り込む。
「のっち、、、、キス、して?・・」
えっ、、、
サクラの花びらが、乱れる。
覗き込む、先生の瞳に迷いはなく・・
そっと・・・
自分から、初めて唇を重ねる。
「もっと、、、して?」
先生の言葉に煽られ
貪るように、先生を求めた。
ぐっと右手で細い体を抱きよせる。
角度をかえ、何度も何度も・・・
「はぁ・・・」
洩れる先生の吐息に、一つ歯止めがはずれる。
そっと、舌で唇をなぞると
戸惑いがちに、口内に招かれる。
ゆっくりと舌を差し入れる。
熱い。全てを溶かされてしまいそうに熱い。
本能のまま、先生とのキスに溺れていく。
っ、、、はぁ・・・
どちらからともなく溢れ出る吐息。
唇を離す。
目の前には潤んだ瞳の先生。
理性なんか、とっくにぶっとんだ。
「・・・ベッド、、、いこ?」
「うん・・」
残ってるのは、本能だけ・・
どうして、こういうことになったのか・・
そんなことは、どうでもいい。
先生をベッドに横たえ、跨る。
ただ、目に映る先生の姿が
キレイ、だ
それ、だけだった。
そっと、口付ける。
ぎゅっと、抱きしめる。
「先生・・・?」
「ん?」
「のっち、、、正直、、、、どうしていいかわかんないや…」
「のっちが、、、、したいようにしたらいいんだよ?
・・・・てか、のっちの好きなように、、、して?」
甘いささやきが耳の奥に響き、脳を溶かした。
それを合図に、手当たり次第、先生を堪能する。
幼く、まだまだ未熟なその行為、一つ一つに
先生は敏感に反応してくれた。
華奢なカラダのラインを辿る手に伝わる熱。
抱き合ってると、どちらの熱なのかわかんなくなって
溶けていくって、きっとこういうことなんだろうって
妙に頭ん中は冷静で。
ただただ、先生を貪る。
深い口付けを繰り返し。
互いの愛情を飲み込む
カラダの奥から、なにかが
こみ上げてくるのを感じる。
先生の一番熱いとこにそっと触れる。
んっ。。。
先生の漏らした声に、深入りすることを戸惑う。
熱に浮かされた漆黒の瞳と
視線が交わる。
「・・・大丈夫、、、だよ?」
その一言をきっかけに
先生の一番深いところまで侵入する。
余計な感情が全て排除された世界。
ただ、先生と繋がっているという事実、のみ。
それだけで、十分で
それだけで、おかしくなりそうだった。
いや、
自分の中のなにかが狂っていくのがわかった。
先生の中を、彷徨う。
快感。。。
ただ
突き上げる衝動に身を任す。
「先生・・・好き・・・・
無意識に呟いた
揺るがないホンネ。
「んっ、、、のっ、、、ち、、、、ぅ、、、き・・・」
先生が、なにか呟いた瞬間
一番奥まで埋め込んでいた指が
ぐっと締め付けられ、、、
二人の体温が一つになった。
はぁ、、はぁ、、、、
荒い呼吸を繰り返す、先生をぎゅっと抱きしめる。
このまま、時間が止まってしまえば
どれだけ幸せだろう、、か?
「・・・先生?」
虚ろな視線を捕まえるよう
こつんと額をあわせる。
「好き、、、です」
もう、どうしようもないくらい、、、に・・・
「うん・・・」
先生の細い腕が背中にまわって
そっと抱きしめられる。
あったかいなぁ・・・
その温もりと
幸せの充実感に惑わされ
うとうとと・・
眠りに落ちていった。
目を覚ますと
部屋の中はすっかりと暗くなっていた。
状況把握するのに数秒。
先生の温もりがないことに気付くのに、さらに数秒・・・
そっと体を起こす。
「・・先生?」
冷え切った部屋に響く声。
確かめなくてもわかる。
この空間に、あなたがいないこと。
夢か現か・・
判断しきれない、頭ん中。
体ん中には、先生の体温が刻まれたまま。。。
たぶん、首元、、、鎖骨あたり?
きっと、
ヒラヒラと花びらの跡が、しっかりと踏みしめられてるはず・・
確認しなくても、、、わかる。
まだまだ
ふわふわとしてる体感。
視線が、机の上
一枚の紙切れに止まる。
ベッドからおり
それを、手に取る。
『のっちへ
わがまま、叶えてくれてありがと。
ごめん、ダメな先生で。
じゃぁね。』
胸の奥がざわついた。
先生?
ほんと、、、
最後の最後まで、あなたに翻弄されっぱなし、だったね。。。
こうして、あなたの熱を
サクラの足跡を、のっちに刻みつけたのも
きっと、、
計算づくだったんでしょ・・?
だとしても、、
幸せだったんだ。。。
最終更新:2009年03月29日 22:55