抱き合う体勢だと、
ゆかちゃんの顔はのっちの顔の横にあるから・・・
「ふふ。顔、見えないね?」
いたずらっ子みたいに笑うゆかちゃん。
うん。確かに。さっきはこうしたほうが顔が見えなくて
恥ずかしくないと思ってたんだけど・・・
ソファに座ったまま抱きついてくるゆかちゃん。スカート短いから!ヤバイから!!
いろんな意味でドキドキが止まんないよ、ゆかちゃん。
しかも、今のっち実はキスしようとしてたんですけど・・・
もー、タイミング外しちゃった。
そんなことを考えていると、
ゆかちゃんは体をのっちから少し離した。
「のっちの口、可愛いね」
言葉の意味を考えるより前に、ゆかちゃんの唇がのっちの唇に、触れた。
ダンスフロアから漏れ聞こえていた音も聞こえなかった。
足元に伝わるベースの振動も感じない。
自分の鼓動だけ、聞こえた。
触れるだけのキスから一度唇を離したゆかちゃんは
のっちの下唇を優しく吸った。
『ちゅ・・・』
あ・・・やばい。超気持ちいい。
思わず口をあけてしまう。
お願い。
ゆかちゃんの温度をもっと知りたい。
「ん、のっちぃ・・・」
ゆかちゃんの小さい舌が口の中に入ってきた。
舌を絡める。
舌を絡めるのと同時に、触れていただけの2人の指も絡まる。
舌の動く音が骨を伝わり頭の中で響く。
ゆかちゃんと、のっちの音が、
温度が、重なる。
敏感になった唇を、指でなぞられる。
「ん・・・」
気持ちよくて目を瞑っていると、
きゅっ、と唇を指で摘まれた。
「のっちのチューしてる顔、超カワイイ・・・」
そんな甘い声、耳元で囁かんでよ。
のっちは耳まで赤くなってるね、きっと。
ゆかちゃんはのっちの髪を耳にかけた。
「あっ・・・」
ビクッ・・・
ダメだ。今は耳も、唇も、顔も体も全部性感帯だ。
なんでこんなに気持ちいいの?
ゆかちゃんにならどこを触られても、飛んでっちゃいそうだよ。
唇が離された。
「はぁっ・・・」
小さく息が漏れた。
もっと、キスしてたかった。
ゆかちゃんは再びのっちに抱きつく。
「ゆかちゃん・・・」
のっちはさっきより少し強く、抱きしめた。
腰、細い・・・なんでこんなに細いのに、こんなに柔らかいんだろう。
女の子の体って不思議だな。自分も女の子だけど。
「ゆかのことだけ、見てて?」
「うん・・・」
さっきまで部屋に充満していたタバコのにおいはいつのまにか
ゆかちゃんの香水・・・だけじゃない、ゆかちゃん自身の甘い香りにかき消されていて、
思わず目を瞑る。
この感覚を全身で感じたかった。
忘れないように。刻み込むように。
ふと、ゆかちゃんが少し重くなったように感じた。
「のっちぃ、ゆか、眠い・・・帰るとき・・・起こして・・・」
「えっ、ちょ、ちょっとゆかちゃ・・・」
すぅ、すぅ、、、、
ゆかちゃんはのっちに抱きついたまま、寝息を立てている。
「まじで・・・この状況で、寝る?普通・・・ねぇ・・・」
思わず苦笑い。のっち得意の八の字眉。
まあ・・・朝からびっしりスケジュールだったし疲れたよね。
ゆかちゃんといるとドキドキが止まらない。
いつも表情をくるくる変えて、さっきまでのゆかちゃんはどこにもいない。
でもどれも本当のゆかちゃんで、どのゆかちゃんも愛しい。
次はのっちにどんな顔を見せてくれるの?
ゆかちゃんの髪を撫でながらそんなことを考えていた。
時刻は、3時過ぎ。
のっちは今夜、ミラーボールのようにキラキラの魔法にかかって完全に落とされてしまった。
自分が恋に落ちる瞬間を、はっきりと感じた。
(続く)
最終更新:2009年03月29日 23:04