荒い呼吸もおさまり、きみは衣服の乱れを軽く直して私にしがみついていた。
私も腕まくらでそれに応える。
優しく頭を撫でてやるときみは
K『ふふふっ。』
と、笑ってみせた。
N『どうかした?』
K『な〜んでも?』
ん?
なんか引っ掛かる……。
K『あ、そだ。指輪。』
あぁ、すっかり忘れてたや。
N『てか、今さら必要ないでしょ。』
K『いいからっ。』
きみに言われるまま渋々指輪を取り出し渡そうとしたら、
K『のっちにあげる。』
なんて無邪気に言われてしまって。
N『はっ!?いらないよっこんなのっ。』
K『あ、ひど〜い。』
いやいや、ひどいのはどっちだよ。
K『………、て事は内側見てなかったんだね。よかったぁ。』
内側??
N『………Y to N。何これ?』
K『鈍っ!!』
んん??
Y?ゆかちゃん?
N?……のっち?
まさかっ!?
驚いて言葉もないままきみを見た。
K『やっと気付いてくれましたか?先生??』
からかう口調がかわいらしくてまた腹立たしい。
N『これ、貰ったんじゃ…。』
K『そんなの嘘よ、嘘。』
嘘っ!!?
K『だってぇ〜、これくらいの嘘付かないとのっち本音出してくれなかったじゃ〜ん。』
N『……告白された話は?』
K『半分、嘘。』
N『半分?』
K『多分、むこうは気があるんじゃない?』
いやいやいやいやっ。
K『でも結構、あたしも崖っぷちの賭けだったんだよ?のっちの気持ちがホントに”その程度”って可能性もある訳だし……。』
N『ははは……。』
私は見事に彼女の策略にはまって、本音を暴露してしまった訳だ……。
K『少しはさ……?』
少し待ってもきみは言葉を発しない。
N『少しは?』
K『ううん、何でもないっ。』
照れ臭そうに笑うと私にギュッと抱き着いて来た。
すごい気になるじゃん…。
N『……気になる子ちゃ〜ん。』
K『ぶはっ。何その曲〜?』
N『知らない??PerfumeってグループがやってるTV番組の曲。あんまTV観ない?』
K『うん。あんまり。』
興味なさそうに答えるゆかちゃんを見て勿体なく感じその番組の楽しさを伝えようと思った。
N『でね、その中のあ〜ちゃんって子が可愛いんだよ、ってイテテテッ?!』
そしたら、笑顔で耳を力一杯引っ張られた。
N『な、なんでっ?!』
K『何となく?』
目が笑ってないんですけど……。
それにしても、だ。
このままやられっぱなしじゃ引き下がれない。
”家庭”とは言え教師らしく、ここはひとつ教育的指導をしておかないとね。
悪い事した子にお仕置きは付き物だよね、ゆかちゃん……?
N『……もうこんな時間かぁ…。あんま遅いとお家の人も心配するし、送ってくよ。』
K『あ、うん……。』
まだ一緒にいたい、って顔してるね。
大丈夫だよ、お望み通りずっと一緒にいてあげるから。
むしろ、嫌がっても逃がさない。
N『て、言いたいとこだけど…。今日は帰せそうにないや。』
K『えっ?!』
N『明日休みだし、平気だよね?』
K『の、っち…?』
不安そうな瞳で私を見上げてるけど、ダメだよ。
狙った獲物は逃さない、主義だから。
N『じゃあまずはさっきの復習から始めようか?』
(続く)
最終更新:2009年03月30日 00:01