あたしの愛しい人はすぐに泣く。
いつもはしっかりしてるくせに実は涙もろくて負けず嫌いでもある。
誰よりも側で見て来たから誰よりも貴女の事を知っている。
ほら、今も本当は不安がってる。
A『大丈夫よっ!今までやって来た事出せば絶対上手くいくけぇ。あ〜ちゃんは二人を信じとるよっ。』
ライブ前、私とのっちを奮い立たせてくれるのはあ〜ちゃんの言葉。
だけど本当はあ〜ちゃんが1番不安を抱えてるのあたしは知ってるんだ。
K『あ〜ちゃん?』
誰もいないとこでコツン、と額を寄せて貴女の背中に手を回す。
不安が伝わってくるのがわかる。
あ〜ちゃん。
あたしの半身。
K『泣くならライブ終わってゆかの前だけにしてね?』
A『ゆか…ちゃん。』
照れながら半泣きなんてずるすぎるよ。
K『大好き。』
A『ん、あ〜ちゃんも。』
軽く唇にキスをすると驚いて固まってしまったあ〜ちゃん。
K『へへっ。』
舌をペロッと出して笑ってごまかすあたし。
A『もうっ。』
なんて怒ってみせても顔が微笑んでるよ?
A『ゆかちゃん、ありがとっ。』
チュッ
と軽いキスをされてあたしが今度は固まってしまう。
A『えへっ。お返し…。じゃあまた後で……。』
あたしに触れていた手をなごり惜しそうに解き舞台袖へと足早に消えていくあ〜ちゃんの後ろ姿に、
これ以上ない幸せを感じる。
離れてても見えない赤い糸であたし達は繋がれてるよね。
K『ありがとう、はこっちの台詞だよ……。』
ここまでこれたのは貴女がいてくれたから。
これからも一緒に生きて行こうね。
長い付き合いのゆかちゃんとはもう家族みたいな、親友みたいな、彼氏みたいな。
そんな関係。
今もほら、あたしの不安は見抜かれてる。
K『大丈夫?』
心配される度にあたしは平気な振りをしてしまうけれど、
それもゆかちゃんの前では無意味になってしまう。
でも、あたしは負けず嫌いだから。
大切な人の前だと余計に頑張ってしまう。
そんなあたしを理解して好きなようにさせてくれて、でもずっと側で見守ってくれるのも貴女だけ。
あたしが意地をはっていられるのもゆかちゃんがいるから。
甘えてるのかな?
A『ゆかちゃんこそ大丈夫なん?』
K『ゆかは大丈夫よっ。』
貴女が優しく笑ってくれるから、あたしはまた泣けるんだよ。
A『ゆかちゃん…。』
K『どしたん?』
ポンポンと頭を撫でられると溜めてた涙が零れてしまう。
A『どこにも行かんでね。』
フワリと笑顔が咲いて、
K『ここがゆかの居場所だよ?』
とキスをされる。
いつも突然のキスに戸惑って素直になれないあたしも、
きっと貴女には見透かされてる。
だから今日も安心して怒った振りではぐらかす事が出来るの。
K『あ〜ちゃんが嫌がってもずっと側におるけぇ。』
A『もう、しょうがない子じゃねぇ。』
ゆかちゃんに出会えたからここまで頑張れたんだよ。
一人じゃ頑張れなかった……。
ありがとう、あたしの大切な人。
これからも側であたしを見守ってて下さい。
(完)
最終更新:2009年03月30日 00:29