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「んん・・・」
ベットの横にある目覚まし時計を見る。
PM3:30
げ・・・もう午後かよ・・・。
いくらなんでも寝すぎでしょ・・・。

「いでで・・・」
頭がガンガンする。二日酔いだ。
ベットから起き上がって、初めて自分が何も着てないことに気づいた。

「あぁぁ〜・・・・」
そうだ・・・。昨日、ゆかちゃんと。
あたしはベットの下に落ちてるTシャツとハーフパンツを着て、ゆかちゃんを探す。
部屋にはもういなかった。
いつ出て行ったんだろ?
あっ、テーブルも片付けられてる。
そこには小さなメモが置いてあった。

『のっちへ。
まだ気持ちよさそうに寝てたから、起こさないでおくね。
昨日言ってくれたコト、嬉しかったよ。
でも、付き合うコトはゆかとのっちの二人だけの秘密ね。
あ〜ちゃんにも言わないで。
じゃ、大学でね。
ゆか』

ゆかちゃんからの置手紙だった。
あっ、そっか。昨日、ゆかちゃんと付き合うコトになったんだっけ。

ゆかちゃんには、あ〜ちゃんとの『内緒』
あ〜ちゃんには、ゆかちゃんとの『秘密』

あたしは二人に対して隠し事がある。
そんなんで二人とやってけるのかな・・・。
ちょっと不安になってきた。
「はぁ〜・・・」
無意識にため息が漏れた。
とりあえず、不安と二日酔いを打破する為にシャワーを浴びた。


身体を洗い流したら何だかスッキリした。
あたしって単純だな〜と思いながらも、携帯をチェックする。
あ〜ちゃんからメールと着信が入ってた。
ゆかちゃんからはなかった。

「やばっ・・・あ〜ちゃんに返信しないと」
あたしは即あ〜ちゃん宛てにメールを作成。
「うお!!」
メールを打ってたら、あ〜ちゃんから着信。

「も、もしもし?」
「あっ!出た!のっち!!あんた何してるん!!」
速攻怒られた。
「あっ・・・ね、寝てました」
「寝てたって。今、もう4時過ぎよ!?」
「うん。起きたらビックリしちゃったw」
「もう、しっかりしてよねw」
「はい」
「今、ゆかちゃんちに居るんだけど、のっち出てこれる?一緒に課題やってんのよ。どうせのっちやってないでしょ?三人でやろう」
「あ・・・」
「来れない?あっ、もしかしてバイト?」
「やっ・・・行くよ。今から準備するから30分くらいかかるけど・・・」
「わかった。じゃ、待ってる」
そう言って、あ〜ちゃんは電話を切った。

正直この状態で会うのはちょっとしんどい。
けど、勢いで行くって言ってしまった手前、もうキャンセルは出来ない。
大丈夫!いつも通りの、イジられのっちに徹してればいいんだ!!っと、自分に言い聞かせて、ゆかちゃんちへ行った。



ピーン・・・ポーン。
ちょっと緊張ぎみに呼び鈴を押す。
「はーい」と言った言葉と同時に扉が開く。
扉を開けたのは部屋の主のゆかちゃんではなく、あ〜ちゃん。
てっきりゆかちゃんが出迎えてくれると思ってたから、これは誤算だった。

あ〜ちゃんのキラキラした可愛さにヤラれて、思わず抱きしめそうになり右手が動く。
でもすぐに抱きしめる相手が違うとわかって止めた。

「のっち、どうしたの?」
あ〜ちゃんはあたしの顔の前で、右手を左右に振る。
「えっ、ああ。ちょっとビックリしただけらよ」
「あ〜ちゃん見てビックリしたの?失礼な子ねwしかも、噛みよるし」
あたしは部屋の中へ入る。
そういえば、ゆかちゃんの家に来るのは初めてだ。

「あれ?ゆかちゃんは?」
部屋にはゆかちゃんの姿が見当たらなかった。
「コンビニ。飲み物切れたら買いにいってくれたんよ」
「そうなんだ。のっちに電話してくれたらここ寄る前に買ってきたのに〜」
「あっ、そっか。その手があったわw」
あたしはテーブル越しにあ〜ちゃんと向かい合って座る。

会話が切れてどことなく沈黙が続く。
こういう時、気の利いた話が出来ない自分が嫌んなる。

「ねぇ、のっち・・・」
ちょっと小声であ〜ちゃんが話しかけてきた。
「うん?」
「また、のっちの家行ってもええ?」
「え?」


ガチャ。
「ただいま〜」
ゆかちゃんが帰ってきた。
あたしとあ〜ちゃんは一瞬固まった。
けどあ〜ちゃんはあたしの返事を訊かず、すぐゆかちゃんの元へ行ってしまった。

「あ〜、のっち、いらっしゃい。」
ゆかちゃんは昨日あんなコトした後なのに、いたって普通な対応。
「あっ、お邪魔してます」
「なに?改まっちゃってんのw」
ゆかちゃんはケラケラ笑ってる。それにつられてあ〜ちゃんも笑ってる。
よかった、いつもの楽しい雰囲気になりそうだ。

あたしたちは課題を始める。
あたしの前にはあ〜ちゃん。右隣はゆかちゃん。
二人とも真面目に取り組んでる。
あたしはすぐ飽きて、ペン回しをし始めた。

「ひゃっ!」
あたしは変な声を出してしまった。
その反動でシャーペンを落とした。
「え?のっち、ど、どしたん?」
あ〜ちゃんはビックリしてあたしの顔をガン見。
「やっ、な、何でもない、よ」
あたしは動揺しながらも平然を装う。

あたしが変な声を出した原因は、ゆかちゃんがあたしの太腿に触ってきたから。
ゆかちゃんはニヤニヤしながら、こっちを見てくる。
この人はわざとあ〜ちゃんから見えない角度で触ってきた。

ゆかちゃんこんなコトしてたら、あ〜ちゃんに秘密がばれちゃうよ・・・。

それからゆかちゃんは、隙あらばあ〜ちゃんの前でわからないようにあたしを撫で回してきた。
あたしは、あ〜ちゃんにばれない様にするのが精一杯だった。


なんとか課題は終えた。
あたしは頭も身体もクタクタになっていた。

「じゃ、あ〜ちゃん帰るわ」
あ〜ちゃんはそう言って、玄関に向かう。
「あ〜、のっちも一緒に帰るよ」
あたしも玄関に行く。
「もう暗くなってるから気を付けてね」
ゆかちゃんはアパートの下まで出て、見送ってくれた。
とりあえずあたしは、ゆかちゃんのお触り攻撃から逃れられてホッとした。

「あっ、あ〜ちゃん。駅まで送るよ」
「いいよ。大丈夫じゃよ〜」
「ダメダメ。こんな暗くなってるし、あ〜ちゃんにもしものことがあったら大変じゃ!」
あたしは半強制的に、あ〜ちゃんを駅まで送った。

「のっち、ありがとう・・・」
「いいえ〜気ぃ付けてね」
「あっ、のっち・・・。あの・・・また、のっちの家行ってもええ?」
さっきゆかちゃんちで訊かれた質問。
「いいよ。一緒にご飯作ろう」
「じゃ、約束ね」
そう言って、あ〜ちゃんはニコっして右手の小指を出してきた。
あたしは自分の右手の小指を、それに絡ませて指切りをした。

小指に触れただけなのに、すごくドキドキする。
ゆかちゃんと付き合うって決めたけど、やっぱりあたしはあ〜ちゃんの想いを捨てることは出来なかった。

ゆかちゃんへの気持ちとあ〜ちゃんへの気持ちがゴチャゴチャになっててモヤモヤした気分で家に帰ろうそした時、携帯が鳴った。

着信は、ゆかちゃん。







最終更新:2009年03月30日 00:35