のっちは2時間、ゆかちゃんの寝息を聞きながら、
ゆかちゃんの体温と鼓動を感じながら色んなことを考えていた。
色んなこと?ううん、ゆかちゃんのことだけだ。
ゆかちゃんのことだけ、考えてた。
午前5時半。
ゆかちゃんは「んん・・・」って言いながら目を覚ました。
眠り姫が目を覚ましたように。
のっちは目を覚ましたゆかちゃんにチュ、と軽くキスをした。
「おはよう」
確か眠り姫って王子様のキスで目覚めるんだよね。
どっちでもいいや。結局、目を覚ましたあとのキス。
のっちは王子様にはなれん。
ってゆうか寝起きのゆかちゃん可愛すぎ。
大人っぽかったゆうべと別人、赤ちゃんみたい。
「ゆかちゃんのこと、大好きじゃけぇね」
頭をヨシヨシ、ってしながら微笑む。
「のっち・・・だぁい好き・・・」
のっちの鎖骨あたりに頭をぐりぐりしながらゆかちゃんがつぶやいた。
「あ!ゆかちゃんが初めて好きって言った!」
思わず嬉しくて声が裏返っちゃった。
だって昨日、「好き」って言葉言ってくれなかったから。
実はのっち気になってたんだ。
ゆかちゃんは酔ってただけかもしれない。
酔ってそういう気分になっただけかも・・・って。
のっちが自分の気持ちだけ高ぶっちゃって、
勘違いしちゃってんのかなって。
「ゆか、昨日ずーっと言ってたよ?」
「———うぇ?」
「心の中で・・・のっち、大好きだよって・・・」
「ま、じ、すか・・・」
照れる。マジ照れる。
「そんなの、のっち、本気にし、しちゃぅょ・・・」
やばい、声震えちゃってしかも消えそうだし。・・・噛んだし。
ぎゅーってのっちに抱きつくゆかちゃん。
子供が甘えるみたいに。
「ゆかも本気だもん・・・
ゆか・・・のっちじゃないと嫌だもん・・・」
神様ありがとう!のっちは今、世界一幸せです。
もー振り回されてもなんでもいーです!
ゆかちゃんをずーっと大事にします!一生守ります!!
うん、本気で誓うよ。
**********
クラブをあとにして薄暗い六本木の街を歩き出した。
交差点。
始発はもう動いてるけど、タクシーで帰ることにした。
当たり前のように2人は手をつないでいて、
タクシーの中でもそれは変わらなかった。
のっちの中はゆかちゃんでいっぱい。
これからも、よろしくね。
【a-chan】
のっちとゆかちゃんは
付き合うことになった。みたい。
2人は照れながらあ〜ちゃんに報告してくれた。
うんうん、よかった!!
昨夜、ゆかちゃんがクラブに誘った理由。
あ〜ちゃんは知ってた。2人きりで行くって事も。
あ〜ちゃんが知ってたことを、ゆかちゃんも知ってたんじゃよ。
のっち、ゆかちゃんあのクラブに1度行ったことがあるって
行ってたじゃろ?
それ、あ〜ちゃんと行ったんよ。
なぜって?
それは、のっちとゆかちゃんの、ため。
下見、してきてあげたけぇね。
まったく世話の焼ける2人じゃ。
あ〜ちゃんに相談してきた、
のっちに恋焦がれるゆかちゃん。
何とかして幸せになってもらいたかったんよ。
ゆかちゃんの小悪魔を最大限に引き出せば、
のっちは落ちるって。
あ〜ちゃんには確信があった。
だってのっち、ホントはゆかちゃんのこと気になっとったじゃろ?
一緒にいればわかる。そこもあ〜ちゃん見逃してなかったんよ。
2人がもどかしくて見てられなかったけぇ。
おせっかいなんて言わんでね?
でもこれは、のっちには内緒。
これからもちゃーんと2人を見守っていくけぇ安心しんさい。
あ〜ちゃん、天使じゃけぇね(笑)
恋のキューピッドもやるんじゃよ。すごいじゃろ?
———おわり———
最終更新:2009年03月30日 01:00