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のっちは、決まって
他の部員たちが活動を終えた後
部室に現れた。


その正確さは
なんとなく、忠犬ハチ公みたいだ、な
と思ったり。

      • 全然、関係ないか。



きっと、のっちは
あたしのことが好き、だ。


男の子のようなわかりやすさ。


でも、あたしのことをかき乱すようなことはしない。


すごく、居心地のいいキョリに、ちょこんと。
ただ、穏やかな空気を与えてくれる。


その空気は、あたしの中の絡まったものを
ゆくっりと解いていってくれた。
と、同時に
縛られていたことによって保たれていたバランスが
崩れそうな不安に襲われ始めた。



自分のキモチが掴めなくなり始めていた。


だから、あたしは
自分のキモチを試すがため
のっちのキモチを試すような
言動を、した。


一つ一つ
のっちは、まっすぐに応えてくれた。



好き、だな。
素直に、そう思った。

どういう“好き”か、には
目を瞑ったまま。。



この前
「なんで、先生になろうと思ったんですか?」
て、聞かれた。

さすがに動揺した。


それを、、聞いちゃうわけ?


「…なりたかった、から・・・」
としか、答えられなかった。

正確には
彼が、なりたかったから。。。

言えるわけない、ね。


なんで?
言えばよかったんだ。そしたら・・・


うぅん、言えなかったんじゃない。
言いたくなかった。
のっちに、好かれたままでいたかった。


ズルイなぁ・・・



今日、のっちにキスをした。


瞬間の表情は、しっかりと瞼に焼きつき
思い出すたびに、頬が緩む。


けど
必死な姿は
あの頃の自分を少し
ほんの少し思い出させて・・・

ま、ゆかの場合、高校時代は
傍にいるだけで、やっとだったんだけど…


一途な姿が、自分とかぶる。


ほんとは、彼も気付いてたのかな?・・あたしのキモチ。


いや、、、さすがに、それはない、や。



ベッドに身を預け
のっちの腕のあったかさとやさしさを
反芻する。


人の温かさに
安心感を覚えたのはいつぶり、、だろうか。




のっち?


オトナぶった、あたしの言動は
どんどん、あなたを翻弄していったよね?


      • けど
決して、軽いキモチじゃなかったんだよ。



今さら、こんなこと言っても
もう
遅いよ、ね。







最終更新:2009年03月30日 01:21