ねぇ、あ〜ちゃん。
のっちの気持ち、知っとる?
こんなにも好きってこと。
こんなにも愛してるってこと。
3年生になる始業式。
高校2年間同じだったゆかちゃんとあ〜ちゃんとは
もちろん今年も同じクラスだと思ってた。
だからあんまりドキドキとかワクワクとか感じずに何気なしにクラス分けの表を見た。
自分の名前を見つけ、同じクラスのメンバーを確認する。
2、3人下にゆかちゃんを発見し、もっと下に視線をやる。
ない。
あ〜ちゃんの名前がない。
他のクラスも探してみる。
あった。
隣のクラスだ。
その時ののっちはただ単にいつもの3人組になれないことがショックだった。
自分の教室に移動してもまだゆかちゃんは学校に来てなくて、
友達が少ないのっちは喋る相手がいなくて暇だった。
ウトウトとし始めた頃、隣のクラスから聞き慣れた大きな笑い声が聞こえてきた。
その声に誘われるままに隣の教室に入る。
「あー、のっち!」
ドアを開けると、居た。
やっぱりあ〜ちゃんの声だ。
あ〜ちゃんはのっちの知らない子たちともう友達になっているみたいだった。
近付こうとしないのっちを見て、あ〜ちゃんがその新しい友達に何かを告げて逆に近付いてきた。
「ほんまにのっちは人見知りじゃねぇ」
「あ…うん。」
「テンション低っ!3人同じクラスになれんかったからってそんなにテンション落とさんでよ」
「だってさぁ」
「まぁ、ゆかちゃんがおるじゃろ?のっち一人にならんで良かった良かった」
「でもまだゆかちゃん来とらんくて…喋る人おらん」
「はぁー…あんたは友達を作ろうっていう気はないの!?」
「うー…ない?」
「なんであ〜ちゃんに聞くんよ!ちょっとは努力しんさい」
あ〜ちゃんに少し怒られたけど、それからは他愛もない話をして。
気付けば予鈴が鳴る時間になっていた。
『あ〜ちゃん、先行くよー!』
さっきあ〜ちゃんと喋っていた友達が他の子たちと教室を出ていく。
「始業式って何処でするんじゃっけ?」
「確か講堂じゃろ…あっ、時間ヤバイ!!行こ!」
他の生徒たちも同じ様にドタバタと教室を出ていく。
人で廊下が溢れかえる。
「あれ、あ〜ちゃん?」
あ〜ちゃんを見失ったかと思うと、急に左手を引っ張られる。
「えっ?!」
「はぐれちゃ駄目。」
そう言って微笑んだあ〜ちゃん。
握られた手は、いわゆる恋人繋ぎ。
意識的なのか、無意識なのかは分からない。
周りがスローモーションに見えて、あ〜ちゃんしかはっきり見えなくなった。
その日からのっちはあ〜ちゃんを意識するようになった。
でも言えないよ。
絶対に気持ちを伝えることなんて出来ない。
つづく
最終更新:2009年03月30日 01:28