あぁ、、、気付かなきゃよかったのかも。
それは、曖昧なソレが
確信に変わった瞬間だった。
移動教室のため
渡り廊下を歩いていると
ふと、屋上にのっちの姿を見つけた。
もう、、、またサボり?
なんて思ってると
すごくやわらかな表情で
誰かに手を振っていた。
その視線の先を追う。
ドクン・・・
再び視線をのっちの戻す。
のっち・・・
一瞬、迷った。
けど、、、
あたしの足は屋上へと向かっていた。
「のっち」
声をかけると
びっくりしたように振り向いた。
「あ、あ〜ちゃん!どうしたん、授業は?」
「あんたこそ、なにしてるん、こんなとこで」
ゆっくりとのっちに近づいていく。
「や、のっちは、この時間、先生が出張で自習なんよ」
「ふーん、、、自習でも勝手に教室から出たらあかんよね?」
「うぅ、、、あ、はい・・・」
フェンス越し、のっちの隣に並ぶ。
「いったいここから、誰を眺めてたんですかね?」
「えっ・・・・」
視線の先には、彼女の姿があった。
「なーにが、急に写真に興味が出てきた、よ?」
「・・・」
「目当ては、先生だったんだ?」
そう聞くと
さっきまであたふたしてたのっちは
急に、まじめな瞳であ〜ちゃんを見つめて
「うん、そう」と答えた。
一瞬で、わかった。
あぁ、本気なんだ、って・・・
でも、ダメだよ・・・
「どうせ、いつもの一目惚れなんでしょ?」
「確かに、、一目惚れだったけど・・」
「何度それで、失敗してるん」
「うん、いっぱい失敗してきた、ね」
「も少し、学習しなよ…」
うぅん、そんなのはどうでもいい。
「女の人じゃん・・」
「うん・・・」
うぅん、、そんなことも、どうでもいい。
「それに、、、先生だよ」
「うん・・・」
「うまくいくわけない」
違う、、、それも、関係ない・・・
「わかってる」
のっちは、さっきから一度も視線を逸らすことなく答える。
「相手になんかされないことくらい覚悟の上だよ」
「・・・」
「ただ、のっちは、どうしても先生の近くにおりたいんよ」
ダメだって!だって———
喉元まででかかったコトバを飲み込む。
「・・・あ〜ちゃんは、のっちが傷つくのを見たくない…」
そう言うのが、やっとだった。
「うん、、、ごめんね、心配かけて・・・
けど、どうしてものっちは、今は少しでも先生といたいんよ」
今まで見たことのない表情ののっちを目にして
それ以上は、何も言えなかった。
あ〜ちゃんの知らないのっちが、
そこにはいたから
何も言えなかったんだよ。
けど
この時
ホントのことを言えていたら
先生には、、、“付き合ってる”人、いるんだよ。
今度の春には、結婚しちゃうんだよ。
うぅん、、、、
そんなことより、もっともっと大きな事実。
ゆかちゃんのココロは、きっと・・・
あの人、のそばから離れられない。
奪えないよ、、、きっと
て。。。
そう、伝えられていたら
少しはなにか、変わっていたのかな・・・?
のっちのあんなに傷ついた姿を見ずにすんだのかな。。。。
うぅん、
それでもきっと
2人の運命はもう、止められなかったんだろう、ね。
のっち?
ほんとはね、どんな言い訳をしても
結局、それは言い訳にしかすぎず・・
ただ、大好きなあなた、を
大好きだった彼女に
奪われてしまうのが、怖かっただけなんだ、、、たぶん。
見て見ぬフリをしたのは
きっと、あたしのズルさ、だったんだ。
最終更新:2009年03月30日 18:29