夏休み。
のっちは、両親のいるニューヨークに
行くことになった。
空港まで、見送りに行く。
のっちは、相変わらず
しょぼくれている。
なんで、、、
なんで、ニューヨークに行かないとダメなの?
ずっと、ずっと嘆いている。
「・・ねぇ、なんでそんなに嫌なの?」
「・・・」
「海外で過ごせるなんて、絶対にいい経験になるよ?」
「・・先生と、おんなじこと言う・・・」
「えっ?」
のっちのキレイな瞳が宙を漂っている。
「・・わかってるよ、それくらい…
でもさ、、、先生に会えないじゃん?
それが、、なんか、、、ヤだなって・・」
あぁ、、そういうことか・・・
なるほど、、、そういうこと、、か・・・
あぁー・・・
大きくため息をつき
のっちは、天を仰ぐ。
「今ののっちには、、、先生だけ、なんだね…」
自分の口から出た言葉にびっくりした。
「あ〜ちゃんとかに会えんのは、、、別に、、いいんだ?」
何言ってんの?
のっちには、友だちなんて
ほとんどいないから、寂しがるようなことはない
そんなこと、自分が一番よくわかっていること、だ。
あまりの自分の発言に
のっちの顔が見れずに、俯いてしまう。
しばしの沈黙を破って、のっちが
「だって、、、あ〜ちゃんは
1ヶ月会わんからって、
のっちのこと忘れたりしないでしょ?」
思わず、顔を上げてしまう。
「・・・もち、、ろん・・」
二カッと笑って、のっちは続ける。
「だから、別に寂しくなんてない、よ」
あぁ、、、そっか・・
複雑、、、だけど単純に嬉しい。
「・・先生だって、忘れんと思うけど?・・」
「いやぁ、、、絶対、のっちのことなんか
休み明けには、記憶の彼方、だよぉ。。。」
苦い表情ののっち。
一瞬、
決まって、夏になると調子を崩す
ゆかちゃんが、頭をよぎった。
「・・・そんな、薄情な人じゃない、、と思うけ、ど?」
「…そっかなぁ・・うん、、そうなんだけど・・・」
「…だけど?」
「のっちは、ただの生徒、だから。。
いくら近づいても、、、やっぱ、、、生徒のままだもん・・」
のっちの視線は、未だ
宙を彷徨っている。
ふと響くアナウンスに
我にかえる。
「あ、じゃ、そろそろ行くね」
そう言って、のっちは立ち上がる。
「うん…」
「わざわざ、見送り、ありがとう」
のっちは
あ〜ちゃんの
大好きな、まぶしい笑顔を置いて
搭乗口へを消えていった。
のっち?
もしかしたら、
この夏が、みんなにとっての
分岐点だったのかもしれないね。。。
最終更新:2009年03月30日 19:02