(05)847 『出動!おちゃらけ戦隊リゾナンダー!!』

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『出動!おちゃらけ戦隊リゾナンダー!!』



その日、都内随一の電気街がパニックに染まった。
氷の魔女ヘケートが大勢の手下を率いて襲撃したのだ。
逃げ惑う人々には目もくれず、ヘケートは戦闘員たちを大型電気店に差し向け、
店内の一部の商品を次々と破壊させた。

「壊せ壊せ!iPodもCDプレーヤーもMDコンポも、すべて壊してしまえ!!」

大通りの中央に立ち、高らかに笑うヘケートの背後に九つの影が舞い降りた。

「そうはさせないわ!」
「その声は……!」

振り返ったヘケートの目に飛び込んできたのは、これまで幾度となく相まみえた
宿敵の姿だった。


「リゾナントイエロー!」
「リゾナントライトグリーン!」
「リゾナントオレンジ!」
「リゾナントピンク!」
「リゾナントブルー!」
「リゾナントレッド!」
「リゾナントパープル!」
「リゾナントインディゴ!」
「リゾナントグリーン!」
「九人そろって、モーニング戦隊リゾナンダー!!」

「現れたな、リゾナンダー!登場シーンだけで十行も使いやがって……。
相変わらず忌々しいやつらだ!」
「ヘケート!今日こそお前に引導をわたしてやる!」

びしっと人差し指を向け、田中が勇ましく言い放つ。
しかし、ヘケートは田中に氷のような一瞥をくれると、何事もなかったかのように
高橋に向き直った。

「久しぶりだな、リゾナントイエロー」
「……シカトされた……」

倒すべき敵に無視され落ち込む田中の頭を、亀井が「よしよし」となでてなぐさめた。


「ヘケート、すぐに破壊行為を中止しなさい」
「それはできない。今回の我々の計画は、ラジカセ以外のありとあらゆるオーディオ機器を
この地上から消し去ること。カセット以外の音楽など、聴けなくなってしまえばいいのだ!!」

ヘケートの言葉に、高橋は握りしめたこぶしをわななかせた。

「な、なんて恐ろしい計画なの……!」
「いや、愛ちゃん、恐ろしくないから。むしろなんか泣けるから」

新垣が横やりをいれると、それまでおとなしくバナナを食べていたジュンジュンが、
唐突にいきりたってヘケートにくってかかった。

「そんなことゼタイ許さないデスよワタシ!!」
「ちょっ、ジュンジュン!なんでいきなりスイッチ入っちゃったの!?」
「あ、絵里、見て~。クレープ屋さん」
「ほんとだぁー。食べたいなぁ……」
「コラー!ふたりとも、関係ない話しない!」
「あ、先輩。今日、死にますよ」
「うそぉ!?うそぉ!?えー、ヤダヤダヤダー!小春、死にたくない~!!」
「コラー!愛佳!うその予知で小春あおらない!」
「アー、新垣サ~ン!新垣サンはツッコミが好きデスカ~!?」
「好きでやってるんじゃな~い!!」


「ちょっとぉ。あんたたち、やる気あんの?」

あきれたように言うヘケートに、元気を取り戻した田中が、再度人差し指をびしっと向けた。

「もちろんだぁ!今日こそお前に引導……」
「 お 前 に 聞 い て ね ー よ 」
「はい、すいません……」
「だいたいさぁ、イエロー、あんたリーダーでしょ?もっとちゃんとまとめなよ」
「はい、リーダーです……。すいません……」
「あぁもう!戦う前からリーダーとエースが敵にへこまされてどうするのよ!」
「ふっ、それも計画のうちだ!戦闘員たち、やっちまいな!!」

ヘケートの合図で、黒いボディスーツに身を包んだ戦闘員たちが
一斉にリゾナンダーに襲いかかった。

「みんな、いくよ!戦闘開始っ!!」

いまだ立ち直りきれないリーダーの代わりに、新垣が号令を発した。
即座に久住、ジュンジュン、リンリンが、少し遅れて高橋、田中が、前に躍り出て敵を迎え撃つ。
それぞれに特殊能力を駆使して、次々と敵を打ち倒していく。
直接戦闘に参加しない光井も、予知能力を使って味方に指示を出していた。
道重もまた、治癒能力を使って傷ついた味方を援護する。
それぞれが奮闘する中で、まったく役に立っていないメンバーがひとり。
それを目ざとく見つけたのは、やはり新垣だった。

「コラー!カメェ!ぽけぽけしてないで、あんたも“傷の共有”で戦いなさい!」
「え~、絵里ちゃん痛いのやだぁ~。おうち帰りたぁー……」
「フンッ!」

ジュンジュンの剛腕から繰り出された強烈な一撃が、亀井の後頭部を見事に捉えた。
亀井は帰宅したい意志を最後まで伝えられないまま、その場にばったりと倒れた。
すると、亀井の近くにいた戦闘員もまた、同じようにばったりと倒れたのだった。

「あの~、ジュンジュン?それって直接敵をなぐればよかったんじゃ……」
「敵、動ク。でも、亀井、ガラアキ」
「な、なんてなんて?」

困惑する新垣に、光井が通訳をかってでた。

「敵は動きまわって攻撃をよけようとするけど、亀井さんはスキだらけで攻撃しやすい、って」
「アリガトゴザイマス!」
「いや、わかるけど。ちょっとスッキリしたけど。でも、まずいからぁ!
味方なぐっちゃまずいからぁぁ!」
「わかったダ」
「はぁ……。さゆみん、治癒してあげて」
「もうやってま~す」


亀井の後頭部にかざされた道重の手からピンク色の光が放たれる。
ほどなくして、亀井は目を覚ました。

「……?」
「カメ、だいじょうぶ?」
「ヒャークマーミーピートゥーパァー♪」
「あー!カメが壊れたぁー!!」
「ガキさん、落ち着いて!絵里は普段からこんなもんなの」
「え?あぁ、そっか」
「ねぇねぇ、なんか絵里、気を失う前に鈍器のようなものでなぐられた気がするんだけど……」
「気のせいだよ、絵里。気にしなくていいんだよ」

道重が子供をさとすようにそう言うと、亀井は「そっかぁ」と言って「うへへへ」と笑った。

「三人とも、なにしとーと?」
「れいな」
「ザコはもう片づいたっちゃ」

田中に言われ、道重たちがあたりを見渡すと、大通りは倒れふした戦闘員たちで
黒く染まっていた。


「さぁ、あとはあなただけよ、ヘケート!」
「ふっ、やるではないか、リゾナンダー。こうなったら、私の真の力を……」
「あんまり長いとこのスレのみなさんにご迷惑だから、さゆ、やるやよー」
「あ、もうやっちゃっていいんですか?」
「ぉおい、お前ら!ちょって待てぇ!!」
「はい、みんなー、集中ー」

道重以外の八人のエネルギーが、道重の身体に集約される。
そして、それは道重の体内で共鳴し、ひとつの強大なエネルギーへと変貌した。
九人が声を合わせる。

「くらってくたばれぇ!!」
「必殺っ!!」
「ヘルミー!!!」





戦い暮れて、日も暮れて。
今日もリゾナンダーは、地球の平和を守ったのだった。

「手強い敵やった……」
「たいして手強くなかったでしょーが」

助けを求める声があるかぎり、リゾナンダーは西へ東へ駆けずりまわる。
明日はどこへゆく、リゾナンダー!

「それはもちろん……、胸の高鳴る方へ!!」
「ダメだからぁ!こんなおふざけであんな名作の名台詞パクッちゃダメだからぁぁぁ!!」
「ええやん。言いたかったがし」
「いいわけないでしょうがあああぁぁぁぁぁ!!!」

がんばれ、ガキさん!ツッコめ、ガキさん!
でもスパイだということも忘れるな!


 ~ 完 ~ 




















最終更新:2012年11月24日 08:31