(09)171 『潜入☆ホストクラブ』

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「8番テーブル、ドンペリはいりまーす」

「あーりがとーございまーす!!」
これ、たぁのしぃぃ!早く次の注文はいらないかな、入らないかな!!早く言いたい!

「おい!ご指名だ!」
「はい、行ってきます!」

こんにちわ、みなさーん!久住小春です。
今、ホストクラブに潜入してまーす。別にダークネスは関係ありませーん

最近、高橋さんの様子がおかしいんです。小春は思わないんですけどね。
どうも、夜遅くに帰ってきたり、ちょっとお酒臭かったりするらしくて。

みんな心配してるんですけど、
ほら、高橋さんって溜め込むタイプなんですよ。これ、新垣さんの言葉ですけど。
とりあえず、どこに行ってるかだけでも調べようって話になったんですが、
何せ高橋さんは消えますからね、消えてぴゅんです ぴゅんできゅいんです
だから、足取りを追うのは田中さんでも無理なんです

そこで、小春の出番ですよ。もうむっちゃくちゃ念写しまくりました。
今までの人生で一番、苦労しました。一番小春が頑張りました。

「ちょ、小春、これって…」
その中の一枚、それに驚愕の事実が…
って、もう冒頭で言いましたからわかりますよね。
そう!高橋さんが人目を忍んでこのホストクラブに入ってくる写真でした


もう、田中さんとミッツィと三人でとにかく焦っちゃってー
新垣さんに見られないように、いつものロフトでこしょこしょ話ですよ
何かの間違いであって欲しかったですけど、
小春が一番自分の力、わかってますからね
ざんねんむねんです おしいひとをなくしました

「ど、どうします…」「どうしよ…」
慌てふためく2人のために、小春は宣言しました
「小春が、潜入します。高橋さんをー、説得しまーす」

反対2票賛成1票で見事に可決。
今小春は、顔の表面にナンバー2の人の顔をくっつけてます。
だいじょぶです、ホントのナンバー2の方も接客してると思います、幻覚の中で。
本当はそこ、おトイレです。
うーん、でも今日ナンバー1になっちゃうかもなー
小春こういう話術むちゃくちゃ得意ですからね、一番得意ですから

でもさっきから、人の名前がわからなくて困ります やたら太ももに手をおかれてこしょばいです
アルマジロ買ってあげるって言われるんですがなんですかね?
ジャガーとかこの人はアニマル好き?アニマルって動物ですよ。
小春それよりチョコが良いんですけど…



きゃー!!!

悲鳴が聞こえました。出撃?出撃?!
そうワクワクしたのに、現実は残酷です。
ナンバー1の人の机で何人かのハートが打ち抜かれただけでした。

さっきからこんなのばっかりです。
あの人そんなカッコ良い人なんでしょうか?
小春のテーブルとちょうど背中合わせで、まだ顔見れてないんですよ。

よくわからない会話ばかりで、小春疲れてきました。はいはい、好きです、好きです
あーもう、いつまでこんな調子でしょうか?

ぎゃー!!!

また、ナンバー1か………

「我らはダークネス!地上に絶望を齎す至高の集団だ!」

さすがナンバー1は言う事がカッコいい…って、え!?敵襲!?

慌てて入り口を見ると、見知った制服の団員達が銃器を掲げています。
脇に転がる血まみれのボディーガード。縮み上がるおねーさんたち。
震えるホスト。

銃なんて見せかけです。わからない人たちにわかりやすくするため。
本当の凶器は彼ら自身です。かなり、強い。



さすがにこの顔でやるのはマズいので、一度おトイレに戻ろうとしました
でも、隣のおねーさんに腕を掴まれそれが叶いません
「行かないでー、あたしと一緒にいてー」
逃げるんじゃないよー小春闘いたいよー
はーなーしーてー

店のパニックは留まるところを知りません。
どうしよう、落ち着け小春、おーちつけーーー


「おいおい、無粋だな。」

喧騒の中で、凛と場を静まり返らせた、その一言。
それは、ナンバー1さん。
まだ後頭部しか見えてないけど、別におかしくなったわけじゃないみたいです

あ、ああ、あぶないですよー

「なんだと、テメー、死にたいのか!?」

「ここは終わりなき、宴の場。それを邪魔する権利は、誰にも無い…ハズだぜ。」
 それともなにかい?
 お嬢さんたちのエスコートに慣れていないが故の過ちかい?

「そんな野蛮な出で立ちじゃ、レディのハートは射止められないよ」



うわーお!かっこいい!
でもでも、相手は能力者…このままじゃナンバー1さんが、危ない!

「死にたい奴が一人増えたぞ!」
ナンバーワンさんの米神に銃が突き付けられました。
「いいだろう!まずお前みたいな綺麗なにーちゃんを見せし…ぐふ!」
でも、言い切る前に、そいつは床に倒れこみました。

「悪い悪い、捨て台詞は最後まで言わせてやるべきだったね、雑魚サン」
首筋に埋め込まれたのは、彼の手刀。

「でもキミはボクに銃を向けた、それは重罪だ。何故かわかるかい?」

-ボクを失う悲しみを、彼女たちから誰が奪ってくれるんだい?-

「タカァァァァァ!!!」「きぃゃぁぁぁぁぁ!!!!」
耳をつんざく様な、おねーさんたちの黄色い声 一斉に彼を取り囲む、狂気の黒い筒
戦況は圧倒的不利なのに、その人はむしろ、この状況を楽しむかのようです

「そうか、生き急ぐのか。どうしても、というのならお相手しよう。
 お代はそうだな、キミたちが大切にしない、その命で」

ダダダダダ…
拳銃の弾は全て、彼をすり抜けます。
彼は涼しげにステップを踏みます。ショーです。まるで、ダンスショー

「グッバイ、ブラザー。良い夢を。」

彼は小春にウインクすると、目にも止まらぬ速さで、ダークネスをなぎ倒しました



いえ。
実際、目に止まるはずは無いのです。人の眼は見得るものしか映さないから
彼…いや、彼女は、元いた場所からどこも経由することなくうごいた。ふつーの人は瞬間移動と呼ぶ、あれです。

そう、ナンバーワン、それはうちのリーダー高橋さんでした。
どうも、背の低い人だとは思ってたんですよー
にしても「タカ」って高橋の「タカ」ですか?なんにせよ、大事に至らず良かったです。

と、言うのもー、彼女の動きが滑らかに、
また人としての許容範囲に見えるように細工をしたのはこの小春です。
残像を作って貼り付けました、店にいる全員の網膜に。小春やっるー!


その後オーナーが警察に電話して、変な強盗事件として処理されることになりました

「高橋さん、どうしてあんなことを…」
聞くに、一ヶ月前に高橋さん、おじさんと道でぶつかって、骨折させて、
慰謝料1億用意しろって言われて、泣く泣くホストクラブで働くことになったと言うではありませんか
むむむ、高橋さん、それ絶対なんか騙されてます。
小春、こう見えてニュースよく見てますから、ピンときました

「よくあんなにスラっと男のフリできましたね…」
「…宝塚名場面集より抜粋やよ…」
あー道理でなんか楽しそうだった…

「帰りましょ、高橋さん。タカは今日の事件を機に悪を打ち倒す旅に出たんです!」
「なんやの、そんなどっかの戦隊ものみたいな…あ、あーしリゾナンターやったわ」
けらけら笑う高橋さん。でも、1億…なんてまだ心配そうにしています
大丈夫、事務所の住所わかってるんですもんね。コハハハハハ…




「行ってくるっちゃ!」「晩御飯までには、戻る」

やる気まんまんの田中さんと
驚くほど無表情の新垣さんがアップ始めました

「ごめんなー。あーしが行くと話し合いがこじれるんやろ?
 お相手に悪いから、これ、渡しといて?」

それは喫茶リゾナント永年無料コーヒー券

「にしし…飲みにくる勇気あるっちゃろか?」
「一生忘れるなって意味になって良いんじゃない?」


田中さんと新垣さんは、不敵な笑みを配りながら、戦地に赴いていきました。

「久住さん…」
そう呼ばれて、横を見るとミッツィが一筋の涙をその頬に流しています


「あかん…今までいろんな闘いを視てきたけど、
 こんなに一方的で容赦のないもんは、初めて視ました…」



          詐欺、ダメ、絶対





















最終更新:2012年11月24日 14:29