(19)291 『野良猫の誇り』

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絶望は淑女の装いをして現れた。
戦場よりもパーティ会場の方が似合いそうなイブニングドレスを身につけた女。

「諦めの悪い奴だな。 お前は指先で私に触れることすら叶わんというのに。
私の前にひれ伏せば、お前にもこの力を分けてやろう。 そして新しい世界へ連れて行ってやろう」
「いらん。 れいなは力も欲しくない、新しい世界へも行きたくない。
れいなが好きなリゾナントを、この街を守るたい」

女の優美な顔を飾る眉が僅かに歪むと、瞬間的にれいなの眼前まで高速移動してきた。

「なら、死ね」

激痛がれいなの体中を走る。
女の腕がれいなの脇腹に深々と刺さっていた。

「う、あああぁぁ」
「どうしたさっきまでの威勢は。 お前はバカだなあ。
野良猫のままでいれば、あんな高橋の飼い猫になんてならなければ、こんな痛い目に遭わずにすんだのに」
「…愛ちゃんを悪く言うな」
「はっ、ご主人さまに忠誠を示すとは見上げたペットだなあ。 お前は使えない、要らない、ん、何がおかしい」
「くくく、バカはお前たい。 わざわざしばかれに来よってからに」

自分の脇腹に刺さっている女の腕を握りしめ固定した状態でれいなは女の顔面に頭突きを命中させた。

「何をする、放せ」
「放せっちゅうて放すバカはおらんやろ。 あんたぁ綺麗な顔をしとったけど今日から鼻ペチャたい」
「止めないと只じゃ済まないぞ」
「れいなはあんたがどんだけ強かっても何も怖くない。 れいなの胸の中には仲間がおるから」

女の腕が刺さった状態で頭突きを何発もぶちかますのは正直辛いけど、止める気はない。
この女をここで止めんと世界はエライことになるから。
愛ちゃん、見とってや。                    以上(電車待ちのホゼナント





















最終更新:2012年11月27日 00:44