(19)413 『Reason To Live』

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死なないで
今日たまたまこの病院に来なければ貴女の顔も名前も知ることは無かった私にこんなことを言う資格はないのかもしれない
でも死なないで
医師も看護師も延命を諦めている状態の貴女にこんなことを言うのは、苦しみを長引かせるだけということはわかってる
でも死なないで

不思議な力を持つ私の大切な人は、貴女の精神に感応して貴女の歩んできた人生を知ってしまった
家族への愛情、他人への感謝、自分の為にはどんなささやかなものさえ求めてこなかった貴女の人生
そんな貴女の最期は安らかであっていいと思う
でもでも死なないで、生きて欲しい

心清らかに生きてきた貴女
そんな貴女の最期だからこそ、慈しんでこられた家族に見守られて旅立って欲しい
だから死なないで
こうしている間にも貴女の家族がお別れを告げようとここに向かっているはずだから
もう少しだけ頑張って生きていて、貴女からもお別れをしてあげて
死なないで
それは今の貴女にとってはとても残酷なことかもしれない
でも生きることの大切さを、命の重さを貴女の家族に教えてあげて欲しい
私の力では貴女の病を癒すことはできないけど、少しでも貴女の苦しみが和らぐなら、私の力の全てを貴女に注ぐ
死なないで

「目、覚ましたんか」
「私、気が遠くなっちゃって…、あの人は、ねえあの人はどうなったんですか」
「逝ったよ。 家族に見守られて。
最後にさゆに言っとった。 ありがとうって」
「そうですか。 これで良かったんでしょうか」
「さゆはようやったよ。 さゆのおかげであの人と家族は最後にお別れできたんや」
「…ならいいんですけど。 愛ちゃん一ついいですか。
最初あの人のことをばあちゃんって言ってましたけど、あの人って愛ちゃんのおばあさんに似てたんですか
「いや、あーしのばあちゃんより、あの人の方がずっとべっぴんさんや。
でもな、声がな、あーしの心に飛び込んできた声が、あーしのばあちゃんとそっくりやった」  (さゆへホゼナント)





















最終更新:2012年11月27日 08:25