(02)642 名無し募集中。。。 (秘技・神風の術)

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「おっと、ここまでだ」

行く手を阻まれ亀井と道重はイケメン集団に囲まれる

「わたしたちをどうするつもり!?」

さんざん追い回され、体力の少ない道重は息が切れてなにも喋れない
亀井も心臓がバクバク言っているが、道重を守るために弱気にならないように威勢を張る
だが基本的に攻撃能力を持たないこの2人、当然ながら戦闘向きではない
道重の癒しは言わずもがな、亀井の傷を共有する能力も対象の精神とシンクロさせなければ発揮できない
そうでなくてもわざわさ自らの身体に傷を付けなければならないのだ
複数の相手に襲われると状況は圧倒的に不利になる

「どうするって、こうするのさっ!」
「ぐはっ!」

イケメンのひとりが道重を羽交い締めにし、もう一人が鳩尾に当て身を喰らわせた
手加減を知らない男の一撃によって道重は抱えられたままぐったりと項垂れる

「さゆっ!」

亀井が道重に向かって足を踏み出そうとしたところを別の2人組に取り押さえられた

「ちょっと!なにすんのよ! さゆ!目を覚まして、さゆっ!」

信じられない力で押さえつけられ身動きが取れない亀井は、道重の目を覚まさせようと必死に叫ぶ

「ふん、あっけないもんだねえ、これがリゾナントピンクとリゾナントオレンジの最後になるとは」

闇の中から一人の女が現れた

どうやらこの女が男たちのリーダーのようだ

「わたしたちをリゾナンダーだと知って!?」

女は亀井の驚きを鼻で笑うと話しを続ける

「リゾナンダーもバラバラになればたいしたことない。特におまえら二人は。
 傷を癒すヒーラーがいなければ自慢の能力も宝の持ち腐れと言うことだ。
 ん? どうするリゾナントオレンジ? 自分も死ぬのを覚悟で私たちを殺すかい?」

亀井の顔を覗き込むように不敵な笑みを浮かべる
ぺっ! その女の顔に向かって亀井が唾を吐いた

「このアマッ!」

女は反射的に平手を打とうとしたが頬の直前で止める

「おっと、危ない危ない、返り討ちに遭うとこだったよ。この女の能力は自分の傷を他人に共有すること。
 迂闊に傷をつけると自分に返ってくるから気をつけな」

誰に言うともなく解説を加える
女はそのまま道重の側に近寄り長い黒髪を引っ張り顔を持ち上げると、その横っ面をおもいっきりひっぱたいた

「さゆっ!」

女は振り返ると亀井を睨みつけた

「まずこのヒーラーを殺してからた。そのあとでおまえをゆっくりと始末しててやる。おまえら、やっちまいな!」

女が命令すると男たちはバールのようなものを持ち出し道重を殴り始めた
透き通るほど白い肌がみるみる紫色に変わっていく
頭部からは出血もみられ、地面に地だまりが出来ていた
ゴキッ!と鈍い音が聞こえ腕があらぬ方向にネジ曲がげられる
さきほどまでイケメンだった男たちの顔は醜悪なほど歪んでいた

 胸が苦しい
  これは心臓の発作?
   それとも心の痛み?
    さゆが壊れていく・・・

亀井の中に何かが響いた

「それ以上さゆに手を出すなーっ!!」

亀井が叫ぶと亀井を押さえていた2人の男が叫び声をあげてのたうち回る
男たちの身体中が切り刻まれ血が噴き出していた
亀井の周りが陽炎のように揺らいでいる

「何をした!? 下手なマネをするとこの女の命はないぞ!」

男が道重の首にナイフを突き立て亀井を脅す
殺そうとしている人間を盾に「命はないぞ」と脅すのもどうかと思うが
亀井の耳にその言葉はまったく届いていなかった
ごうっという音と共に一陣の突風が吹き抜けていく
と同時に、道重の首にナイフを突き立てていた男の腕から血が吹き出した

「カマイタチ? そんな馬鹿な!?」

女は驚きを隠せない

亀井の周りを回るつむじ風に亀井の髪が舞い上がる
風の流れを操って真空の刃を作り出す能力
親友の死を直前にして新たな能力の発動である
さっきまで小さなつむじ風だったものが今では竜巻のように激しく渦を巻き、周囲の物を巻き上げていく
男たちが道重から離れ、微動だにしない道重の身体だけが地面に横たわっていた

「こんな情報は聞いてないぞ。くそ、一旦撤退だ」

リーダーの女と傷だらけの男たちが夜の街に消えていった
だが亀井にはそんなことはどうでもいい

「さゆっ!」

道重に駆け寄る亀井
道重は息をしていなかった

「お願い! さゆ、目を覚まして!」

亀井は心臓マッサージと人工呼吸を繰り返す
唇を重ね、まるで命を吹き込むかのように肺を膨らませる

「ごほ、ごほっ! 痛っ!」

道重の意識が戻った
次の瞬間、道重の身体中にあった傷がビデオの巻き戻しを見ているかのように治っていく

「さゆ、良かっ・・・た・・・」

道重と入れ替わるように亀井が倒れる

「え?ちょっと?なに? 絵里ーッ!?」


近くのビルの屋上に少女のシルエットがあった
先ほどの出来事を一部始終眺めていたらしい

「また共鳴した。いったいこの能力の源はなんなのだ?
 そして共鳴の秘密とはいったい?」

少女は疑問を口にするとビルの中に入っていく
救急車のサイレンが街をこだましていた


「もー、さゆみ死ぬほど心配したんだからね。絵里は無茶しちゃダメなの」

病室のベッドに寝ている亀井に向かって道重が叱っているようだ
実際死にかけていて、亀井が道重以上に心配していたことなどは知るよしもない
また亀井がそれを道重に話すこともこの先ないだろう

「うへへへ、ごめんねえ、さゆ。でもおかげで絵里、新しい能力を身につけたんだよ」
「へえ、なんなの? その能力って」

そのとき僅かに開いていた窓から風が吹き込み病室のカーテンがふわりと膨らんだ

「あ、窓が開けっ放しだった」

道重が窓を閉めようと立った瞬間、外から花びらが舞い込み道重の周りを踊るように飛び回る

「わぁ、綺麗」

道重が喜んだのもつかの間、いたずらな風は道重のスカートを捲り上げた

「きゃあ!」
「秘技・神風の術~ うへへへ」
「んもぅ、絵里のエッチ!」




















最終更新:2012年12月17日 11:45