体長3cmほど。テムルのユマリニ地方に生息。
名前の通り、ハチに擬態しているとされるが、完成度的には微妙なところ。「蜂と言えば黒と黄色じゃん?」ぐらいのノリ。なので鳥はけっこう普通に捕食し、効果は低い。
もしかしたらハチに完全に似せてしまうのはカブトムシ一族としてのプライドが許さなかったのかもしれない。頭上に掲げたカブトムシの証左たる角は、かつての栄光であり、そして明らかにハチでない証拠だ。
しかし身体能力的にはカナブンとどっこいどっこいぐらいである。カブトムシなのだから、強くなるほうの進化をしていればそこそこうまいこといっただろうに、完全に選択を間違えた形だ。後戻りはできない。
ちなみにユマリニ地方のことわざに、「少女のマウルカーネはヘラクレスハチモドキオオカブトにとってのハチみたいなもの」というものがある。
「マウルカーネ」とはユマリニ地方に昔から伝わる童女たちの遊戯のひとつ。そのルールは相撲に似ている。
すなわち、ユマリニ地方の少女たちが、激しいマウルカーネをしたことによって処女膜が破れてしまうことがたびたびあり、初Hのときに男性からあらぬ疑いをかけられることがままあることから、ハチを知らないままなら擬態などにうつつを抜かすことなくカブトムシとしての気概を保ちつづけることができただろうヘラクレスハチモドキオオカブトを例に出し、マウルカーネの危険性を示唆したもの。日本における意味の似たことわざとしては、「知らぬが仏」「知ったが病」などがある。
ところが最近のユマリニ地方では、新しい彼氏とのはじめてのHの際、処女膜がないことの理由としてマウルカーネを出す少女が多く、そうすると男性が「マウルカーネならしょうがねえや」と騙される可能性が高いことから、だんだんとことわざの意味が変容してきて、最近では「マウルカーネはすばらしい」という意味に取られることも少なくない。しかしそうするとヘラクレスハチモドキオオカブトとハチとの関係性とは意味合いが食い違うため、昆虫学者はこの現象を快く思っていない。
最終更新:2009年07月07日 15:51