体長6cmほど。ボンタス地域に生息。
恋人によると、
バネリンのバネは1年ごとに生え変わるのらしい。そう言えば生態について考えるときは、そのことをあんまり意識しなかった。体の一部が生え変わるということは、
バネリンは鳥類でも、もちろん霊長類でもないと思う。昆虫かなんかなのかな。まあどうでもいいや。
とりあえずヒルズは昆虫である。コオロギの仲間。
コオロギは鳴き声(正確には羽を擦り付ける音)でメスを引きつける日本の秋の風物詩なわけだが、その中からある日、ヴィジュアルに凝ってみようという志を持つ個体が現われた。
それこそが現在のヒルズの始祖である。ヒルズの歴史は彼から始まった。
始祖ヒルズはお誂え向きに落っこちていた、
バネリンの不要になったバネに凭れ掛かり、「バーカウンターにそっと肘を置く自分」を演出したのである。これがなんと大成功。
その秋は性器の乾く暇すらなかったヒルズは、翌年になると必然的にたくさんの分身が誕生し、かくしてヒルズは一気にコオロギ界において不動の地位を作り上げてしまった。ここらへんの流れ、そのままIT関連の青年実業家と似ている気がしないでもない。
土地によって呼び名が違うのもヒルズの特徴のひとつで、「アイル」や「カレッタ」とも呼ばれる。