体長10cmほど。ケロポ地方に生息。
節足動物たる昆虫はミミズから進化した、というのが現代の有力な説らしい。
ミミズはその体に何本も皺のようなものがあるが、それが次第にガッチリしてきて、カチーンカチーンと分かれて今のメカっぽい昆虫になった、という説だ。すごくおもしろい。学問的に有力な説らしいのだが、けっこう雰囲気的にはトンデモ説であると思う。これじゃあ「昆虫エイリアン説」も無下には否定できない。
このミズズっていうのは、今でもわりとあやふやなその「昆虫起源の謎」の、新しい説を担う
生きものである。ミミズなんかじゃない。ミズズこそ昆虫誕生の謎を解き明かす存在だ。
このミズズ、イラストを見れば分かるように、形状自体は線虫な感じできわめて単純ながら、節のひとつひとつがものすごくガッチリしていて、カチーンカチーンと分かれている。もはやそのガチガチさはカブトムシ以上。パキッパキッと見事なまでの節っぷりである。
つまり昆虫っていうのは、「ミミズがガチッと進化してできたもの」ではなくて、「ミズズのガチッとさがちょっぴり退化してできたもの」なのだ。逆なのだ。
昆虫は合理的な生きもので、ヒトと並んで見事な進化を遂げたものとされているが、なんのことはない、その元であるミズズのほうがよほどすごい。そのすごさたるや、神様が「ミスだった」と認め、反省するくらいだ。具体的に言うと、ミズズにはナノテクノロジーとか使用されているらしい。ナノテクノロジーをどう使うとどうすごいのかよく分からないが、とりあえずすごいことは間違いない。
しかしあまりにすごすぎて、ゲームバランスをまるで考えていなかったきらいがある。「いきなしこんな強かったらぜんぜんおもしろくねーよ」とユーザーは怒り心頭である。なので第2作からはミズズは削除されて、昆虫というものが生み出された。
──例え話を多分に盛り込んだが、要するにこれが「昆虫起源の謎」である。
ミズズは基本的に最強なので死んだりしないのだが、その代わり不老不死の存在にはありがちなことに、行動がとてつもなく悠久だったりする。たとえば2億年に1個くらいしか卵を産まない。しかもその卵はカエルにヒョイっと食べられたりする。なのでミズズの数が増えすぎることはなく、その子孫である昆虫はなかなかに地球を蔽っているけれども、とりあえずバランスは崩れずに済んでいる。
まあそんな生きもの。要するに最後のボスみたいな感じだ。地球は広いなあ。
ラスボスなのに「ミズズ」では……という人がいたら、ミズジックジャマスティスとでも呼んだらいいと思う。ラスボスっぽい。
デンパッパのことにはとても胸を痛めている。