体長50cmほど? ケロポ地方に生息?
スカイフィッシュというUMA(未確認生物)がいる。いや、いた。
ビデオ映像に写り込んで、目にも留まらぬスピードで中空を駆け抜けていく、例の奴である。バッド大の軸があって、その左右にヒレのようなものが付いていて、色は白。200Xとかで観た人も少なくないだろう。
このUMA、「幽体」だの「昆虫の祖先」だのといろいろな説が提唱されていたが、結局のところ正体はハエだったらしい(これも200Xでやっていた)。ハエがテレビカメラの前をガーッて通り過ぎるとき、そのスピードにカメラのコマが追いつかず、ひとつのコマに1匹のハエがその移動に合わせて長細く写ってしまい、長っ細い
生きものに見えてしまった、というのがその真相だったのだ。理科の教科書なんかに載っていた、シャッターを長押しにした星の動きの写真みたいなものらしい。そもそも専門家に言わせれば、カメラに写るものが肉眼でまったく察知できないなんてことはありえないのだそうだ。
まあ要するに、スカイフィッシュなんて生きものはいなかったのである。あはは。
しかしなかなかそれを信じられない人もいるようで、『ムー』とか購読している人たちだが、そういう人たちは、実験室においてハエを使って同じ条件で映像を撮影し、そこにまさしくスカイフィッシュ(とわれわれが呼んでいた状態のハエ)が写り込んでいても、「スカイフィッシュは本当はエイリアンで、政府がテレビ局に命令して、国民を騙すために嘘のVTRを作製させたんだ!」とか言っている。
やっぱり未確認なもののあまり残されていない現代社会において、UMAっていうのはロマンの最後の砦なんだろうと思う。世界よどうか引っ繰り返れ──みたいな願望を託す存在なのだ。
そんな夢見る大人たちに朗報である。つい最近になって、ケロポ地方で新たなるUMAが発見されたのだ。それがこのスカイバイエルンである。
その特徴は、白くボンヤリしていて細長く、そしてあっという間に視界の端から端を通り抜けていく、というもの。非常にスカイフィッシュと似通っているが、この肉眼で見えるという点が、記録媒体の限界が作り出した架空の生きもの、スカイフィッシュとの大いなる差異である。それにケロポ地方では、スカイバイエルンの巣(らしきもの)や糞(らしきもの)も確認されていて、とりあえず存在することは間違いなさそうだ。
しかしながら現在まで個体の捕獲には成功しておらず、その正体はまったく不明。「幽体」とも「昆虫の祖先」だとも言われる。後者として考えた場合、
ミズズとは相対する存在ということになる(それにしても「翼の退化した鳥」と「昆虫の祖先」って生きものの説明における便利な言葉の双璧だな)。
どちらにせよスカイバイエルンに関しては明らかになっている部分があまりに少なく、追加報告が待たれるところ。現状では上記のようなイラストを載せるしかなかったが、調査が進むにつれてその姿は鮮明になっていくかもしれない。