ノロマン

 体長20cmほど。ケロポ地方に生息。ぱぴこさん画。
 ぱぴこさんの絵の不可解さにも、もうだいぶ慣れてきた感がある。
 彼女から届いた一口メモには、「脚が極端に短くて、歩くのが非常に遅い。そのため猛スピードで動き回るスカイバイエルンに対し強い憧れを持っており、いつも空を見上げてはスカイバイエルンの影を目で追っている。ちなみに主食はスカイバイエルンの排泄物」とあった。
 ぱぴこさんの描く生きものは、どれもなんかしらのコンプレックスを抱えていて、いつも無駄に文学的だなあと思うのだが、これなんかその最たるものであると思う。

 脚ガ短ク
 歩クノガ遅ク
 素早ク動クモノニ憧レテイテ
 ソノ排泄物ヲ食ベテ生キテイル
 サウイフモノニワタシハナリタイ

 もはや宮沢賢治の世界だ。
 ケロポ地方って、電波を受信しているだけで廃人同然のデンパッパ、ほぼ何もせず悠久の時を生きているミズズ、いるのかいないのか微妙なスカイバイエルン、そしてこのノロマンと、なんとも言えない土地であると思う。このメンツで本当に成り立っているのだろうか。
 しかしこのノロマン、この脚の短さから類推するに、確実に他の土地では生きていけないだろうから(オウサマニワトリならば間違いなく瞬殺だろう)、それなのに生きていけているということは、ケロポ地方は平和ってことだろう。例えて言うならこれは道路の道幅みたいなもので、ケロポ地方は片道が5車線くらいあるため、原付が少々あっても問題ないということだ。もちろん原付とはノロマンのこと。非常に分かりにくい例えだが、果たして分かっていただけるだろうか?
 ところで僕はこの生きものの名前、「ノラリヒョン」のほうがよいと言ったのだけど、ぱぴこさん曰く「ノロマンにはロマンがある」ということで、曲がらなかった。いやいや、ウンコ食っててロマンて。


最終更新:2009年07月07日 16:31