とりあえず冒頭文で………一応これ世界観だよね?
「
――――今更言うまでも無い事だが、1834年に起きた、太陽系の“大直列”以来、この星に暮らす人間の中に、“魄啓(はっけい)”と呼ばれる力を生まれ持つ人間が出るようになった。
魄啓――――これは日本という国で使われている“その力”の呼称であり、世界で統一されているわけではない。“スピリッツ”、“レムレース”、“チャクラ”、“ヘイロン”、“ボフ”、“アニマ”――――国によって“その力”の呼称は変わる。
変わるが、その内容は同じである、即ち――――“魂の力”。
人類の全てが潜在的な“能力者”となり、そのうちの4割が何らかの形、大小の差はあれ、その能力を“発現”させるに至り、各国は研究機関(あるいは“めいた”もの)を作り、この力の解明と――――利用法を模索するようになった。
そして1881年、理論上は核爆発にさえ耐えうる能力者(もっとも、この時代に核爆弾などなかったが)の出現が確認されて以来、“起きた問題に対処する”という各国のスタンスは大きく変化し、大いなる熱意を持ってこの力の究明を急ぐようになる。
2009年4月21日現在、その研究はある程度進み、いくつかの体系として確立されている。
日本における魄啓の分類は、大まかに三つ。
1、 魄啓を物質、“心器”として安定させる
2、 魄啓を擬似生命体、“式神”として具現化する
3、 魄啓をもう一人の己、“偽身”として同調する
魄啓は、基本的に物理法則に準じ、応用的には無視する。
例え話をしよう。
刀の形をした心器があるとする。
その持主は人間離れした能力を得、そしてその刀は、斬ったものを変化させるだろう。
虎の姿をした式神がいるとする。
その宿主は虎の如き能力を得、そしてその虎は、宿主の命に従い大地を疾走るだろう。
自己のような偽身がいるとする。
その本体は己の隠された能力を得、そしてその己は、時に物理法則を覆す才能を持つだろう。
もうお気付きだろう。この力は、容易に軍事転用が可能であり、実際に第二次世界大戦では多くの能力者が駆り出された。現在においても、魄啓という概念がもつ潜在的な強大さゆえ、牽制と睨みあい、そしてその裏での能力者の発掘と強化が現在進行形で行われている。
――――今、世界は冷戦状態だ。表面上は平和であっても…………
少なくとも俺が生きている間は、この状態が崩れて欲しくないと思う。
」
最終更新:2007年07月05日 22:46