牧内渚の魂魄励起
「古い諦観の話をしよう?
真実が時に苦悶となる、古い諦観の話をしよう?
それは昔々の物語。一人の少女の物語
張子の屋敷、広大な空虚、希薄な現実に私は佇み
虚構の真実、虚栄の豪奢、虚偽の誠実に私は竦み
―――セカイノスベテガコワクナッテキテイタ―――
“愛している。本当だよ”、と父は嘘をつきました
“愛してるわ。嘘じゃない”、と母は嘘をつきました
“汚らわしい化け物め”、と二人はようやく本当のことを言いました
事実は正確で、現実は醜悪で
誠実は真実でなく、真実は誠実でなく
古い話をしよう。人の心を知り、誰の心も貰えなかった女の子の話を
――――奥底で、夢と希望と温もりを求める少女の願いを――――
矛盾のストーリー―――“諦観と願望の二律背反《ファンタズム・リアリティ》”」
⇒牧内渚【まきうち・なぎさ】
最終更新:2007年07月11日 14:22