聖ゲオルギウス【せいげおるぎうす】 祝詞

阿部真理夫の降魔合神

「左手に持つ松明は、今も燃えているか。右手に持つ剣は、輝きを失っていないか。
 血の臭いを、忘れてはいないか。肉を裂く感触は、この手にまだ残っているか。
 所詮この身は偽善と欺瞞。血を血で洗い、この手はもう綺麗ではない。
 我が身は騎士。だから、護り、育て、慈しむ。
 我が身は騎士。なれば、奪い、殺し、全てを血で染める

 我が身は、何も望まず。この下らない世界を護れるならば、私はそれに殉じよう。
 全てに救いを。全てに生を。全てに死を。例え望まれぬものだとしても。
 全てに安寧を。全てに騒乱を。全てに終末を。それは全てが決められている事

 私は進む。進軍の喇叭を背に。いつか祝福の鐘が鳴ることを望んで。
 私は殺す。下らないエゴを胸に。それでもいつかその血が礎たる事を信じて。
 私は祈る。この血に汚れた手を組んで。誰かに救いと恵みが施されることを願って

 我が身は矛盾と詭弁の内包者。それでも、古臭い誇りを抱えたこの身は騎士たりえるか?
 ―――諾ならば答えよ。騎士たるが殉教者、ゲオルギウス!」


⇒阿部真理夫【あべ・まりお】


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最終更新:2007年07月17日 15:35
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