芙蓉楓の魂魄励起
「過去の幼さに嫌悪する。過去の考えに後悔する。
過去の行いに懺悔する。過去の在り方に憎悪する。
知ったのは過ち。知らなければならなかった大きな大きな過ち。
与えたのは傷。つける必要がなかった大きな大きな傷。
謝ることはない、と彼は言った。―――何故、謝ってはいけないの?
気にするな、と彼は言った。―――そんなこと、出来るはずがない。
俺が悪いんだから、と彼は言った。―――違う、悪いのは全部私だ。
優しい嘘で壊れかけた心を繋ぎ止めてくれた彼。見当違いの憎悪を耐えていた彼。
傷ついても挫けることなく受け止め続けた彼。愚かな私を笑顔で許してくれた彼。
―――不器用で優しい彼に、出来る限りのものを返そう。
私の全ては、彼のために―――“それが私の存在意義(オール・レンダー)”」
⇒芙蓉楓【ふよう・かえで】
最終更新:2007年07月11日 15:24