夏の風物詩
『さぁ、次の写真はこれです』
司会者の紹介とほぼ同時に発生する不自然な「キャー」という効果音、画面が切り替わったそこには……。
『見てください、この黒尽くめの青年の背後から伸びているおびただしい数の手の数を、しかもこの手には指が欠けているものから、不自然なほど指の数が多いのも混ざっております』
『霊能者の無道さん、これはやはり霊なのでしょうか』
『えぇ、間違いないですね。これは過去に奇形児として殺された方の念です。おそらく、この青年の先祖がそれを行ったのでしょう』
『となると、酷い霊である可能性が高いですね。青年には早く除霊を行うことをお勧めします』
『そして、この写真には文句なしの大賞をおつけして、賞金10万円が青年へと送られることになります』
――高町家にて――
「うわぁー、恭ちゃん、これ恭ちゃんだよね……」
「師匠……まさか、まだ憑いてるとか……」
「いや、この写真を見たときに除霊してもらいにいったから問題は無い」
「そうですかー、ならよかったですー」
「うぅ、先祖ってことはなのはにも憑いてたりするんでしょうか」
「なのはは、だいじょう…ぶ」
(ふぅ、あっちの世界じゃ魄啓だとバレたけど、こっちだったら平気だったか、さて、10万円をなんに使うか)
最終更新:2007年07月15日 19:05