山中教授「どんな細胞もiPSに」 英誌に報告 実用化へ作製、検討
7月2日9時29分配信 京都新聞
京都大iPS細胞研究センター長の山中伸弥教授は2日、限られた種類の細胞だけでなく、体のあらゆる種類の細胞をiPS(人工多能性幹)細胞にできる可能性が高いと英科学誌「ネイチャー」で報告した。さまざまな細胞でiPS細胞を作製して研究することが、実用化につながると強調している。
iPS細胞はさまざまな作製法が報告されているが、体細胞に複数の遺伝子を導入する手法を含め、ごくわずかな割合でしかiPS細胞にならない。さまざまな細胞になれる「多能性」が十分備わらない細胞も多く、原因は分かっていない。
山中センター長は、iPS細胞になれる少数の細胞が最初から決まっているという考え方を、細胞の種類によらずiPS細胞の作製効率が向上する選別手法があることなどから「矛盾がある」と否定した。また、ある特定の場所に遺伝子が導入された場合だけiPS細胞になるという見方も否定している。
わずかしかiPS細胞にならない理由について、導入した遺伝子の働きやDNAの働きを限定している「メチル化」を制御する必要があるが、現在はその技術が確立していないため「偶発的にしかならない」と説明した。
山中センター長は「病態の解明や薬剤の探索、毒性試験への応用、将来の移植治療など、それぞれの用途によって、どの細胞からどのような方法で作るか、ベストな組み合わせを検討することが大切だ」としている。
最終更新:2009年07月07日 01:08