稼働率=MTBF / (MTBF+MTTR)
MTBFは、平均故障間隔という。
平均して何時間に一度故障するかということを表わす。
MTTRは、平均修理時間という。
故障が発生したときに修理にするのにどのくらいの時間がかかるかを表わす。
MTBFは「稼働時間の合計時間÷故障回数」で求める。
MTTRは「停止時間の合計 ÷ 故障回数」で求める。
稼働率、MTBF、MTTR
システムを利用している時間が正常動作の時間と故障による修理の時間が交互に来るものとみなしたとき、正常動作時間の平均が MTBF、修理時間の平均がMTTRと呼ばれます。稼働率A(Availability)は全体の時間の中の正常動作の時間という定義で与えられますので、A=MTBF/(MTBF+MTTR)となります。
直列システムと並列システムの稼働率
稼働率がそれぞれA1, A2, A3,..., Anであるシステムを直列に接続する(つまり全てが正常に動作せねばならない)とき、全体の稼働率は掛け算となり、A=A1*A2*A3*...*Anとなります。一方、並列に接続したばあいには、全てが動作しないとき以外が稼働率となりますから、全体としてはA=1-(1-A1)*(1-A2)*(1- A3)*...*(1-An)となります。
直列のシステム 稼働率=A1×A2
並列のシステム 稼働率=1-(1-A1)×(1-A2)
稼働率=1-故障率
稼働率+故障率=1
FIT(Failure unIT)は、1000時間あたりに0.0001%の確率で故障が生じる、すなわち10の9乗時間に一度、故障が生じる=1時間あたり10-9件故障という確率を示す単位
確率ですので、独立した部品を複数集めてつくられたシステムでは、各部品のFIT数を足し合わせたものが全体としてのFIT数となり、容易に計算ができます。
1FITということは、MTBFは10の9乗時間ということになります
FIT = 0.0001 [%] / 1000 [時間] = 10^-4 * 10^-2 * 10^-3 = 10^-9 [1/時間]
1FIT = 10^0 FIT = 10^9 MTBF
10FIT = 10^1 FIT = 10^8
fit mtbf
0 9
1 8
2 7
3 6
4 5 <---
5 4
6 3
7 2
8 1
9 0
MTBF 88762h -> 1/88762 = 11.26608233 x 10^-6
-> 11266.08233 x 10^9 (fit)
信頼性用語集
FIT
FIT (Failure In Time) は故障率の表記方法として使用されます。その単位は10億時間に発生する故障件数で表記されます。例えば、10億時間に、故障が3件発生したとすると、その故障率(FIT)は3となります。一般的な電子部品は、FITが10-100程度となります。故障率の合計がシステム全体の故障率になるため、部品数が多くなればなるほど、故障率が上昇します。
MTBF(平均故障間隔)
MTBF (Mean Time Between Failure)は、故障周期を表します。通常単位は時間で表記します。計算式は、下記のとおりです。MTBFが長ければ長いほど製品の安定性が高い事になります。改善をしていく上で、MTBFは改善効果を定量的に示してくれます。
MTBF=製品の稼働時間 /故障件数
MTBFが長くなることは、製品の信頼性が向上していることになります。
MTTR(平均故障修理時間)
MTTR(Mean Time To Repair)は、故障が発生してから、修理が完了するまでの平均修理時間を表します。この時間が短ければ、製品の稼働時間が長くなります。
MTTR=製品の修理時間合計 / 故障回数
Availability (アベラビリティ/稼働率)
下記計算式で算出できます。故障修理時間(MTTR)がゼロに近いほど、稼働率が向上します。
=MTBF/(MTBF + MTTR)
計算例:
=1,000H/(1,000H+10H)
=0.99
FMEA
FMEAとは、Failure Mode and Effects Analysis"の略で、日本では故障モード影響解析と呼ばれています。FMEAは、システムを構成する部品やモジュールに故障が発生した場合、システムにどの程度影響を与えるかを解析する手法です。これにより、システムが受ける信頼性、保全性、安全性に関係する影響を解析し、重要な故障モード(要因)を摘出します。摘出した故障モードは、発生率、影響度、検出度などのファクタにより、各故障モードごとに致命度を算出して、対策順位を相対的に判断します。
FTA
FTAは "Fault Tree Analysis"の略で、FMEAと共に非常に広範囲に使われています。米国のBELL研究所の H.A WATSONによって考案され、1965年ボ-イング(BOEING)社によって補完され、システムの安全性と信頼性に対する解析に多く使用されて来ました。
FTAは、初めに望ましくない事象(Event)を定義し、その事象を発生させる要因を摘出する手法です。これはトップダウン解析手法とも呼ばれています。また、一方前記のFMEAは、大きな問題を発生させる要因がどこに潜んでいるかを摘出する手法で、一般的に、ボトムアップ手法と呼ばれています。
FTAはシステムの故障を発生させる事象(EVENT)との因果関係を論理記号(ANDと OR GATE他)を使用して木の枝の様に現わした故障木図(FAULT TREE)を作り、さらに各事象ごとの故障率を割り当てることで、システムに悪影響を与える事象(最小カットセット)を抽出します。
丸善、塩見 弘著「信頼性工学入門」発売日:1982年11月01日 ISBN:9784621041109
最終更新:2011年04月07日 15:21