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オカシイ世の中覚え書き

安倍内閣総理大臣記者会見~第165回臨時国会終了を受けて 2006.12.19

【安倍総理冒頭発言】

 本日、臨時国会が終了いたしました。この臨時国会は、私が総理として初めて臨んだ国会でありました。この国会において、私は所信表明演説におきまして、国民の皆様とともに、「美しい国、日本」をつくっていくために、全力を尽くしていく、そう申し上げました。そして、「美しい国、日本」をつくっていくためには、教育の改革、再生が必要であり、これを私の内閣の最重要課題にしていく。そしてまずは教育基本法の改正を臨時国会において成立をさせたい。このように申し上げたわけであります。

 この臨時国会におきましては、その改正教育基本法とともに、地方分権改革推進法等、政府が提出をいたしましたすべての法律が成立をいたしました。そしてまた、防衛庁の省昇格等、重要な法案もすべて成立をいたしたわけであります。こうした法律は、私が所信表明で述べたように、戦後レジームから脱却をして、新たな国づくりを行っていくための基礎となる、礎となるものであります。その意味で、この国会においてこうした成立をみたことは、私は大きな第一歩を記すことになった、このように考えております。

 この国会中に、昨年の総選挙において、自由民主党を離れた方々の復党を認める決断を、自由民主党の総裁として、私の責任において行ったわけでございます。私は、新しい国づくりを行っていく上において、私と同じ方向を見て、そして新しい国づくりの理念を共有する人たちに、一人でも多く、この国づくりに加わってほしい、そう考えてきました。それは、総裁選挙のときから申し上げてきたとおりであります。

 今回、11名の方々が私をこれからも支持をしていく。私の所信と全く同じ考えを持っているということを表明され、復党していただきました。勿論この復党によって、私が改革を進めていく、この姿勢にも、また国づくりを行っていく、その中身についても全くの揺ぎはないということははっきりと申し上げておきたいと思います。むしろ、私は新しい国づくり、美しい国づくりを進めていく上において、新しい力が加わり、力をより強化された、このように考えています。

 また、この国会におきまして、この5年間のタウンミーティングの運営について議論がなされました。あらかじめ質問をお願いをするなど、大変遺憾な運営がありました。また、運営において無駄遣いがあったのも事実であります。

 私は、関係者の処分を行い、また、私自身も、当時、官房長官として政治的な責任がありました。私の総理としての給与を3か月分国庫に返納することでけじめをつけさせていただきました。今後は、このようなことが決して起こらぬよう、そして、真の意味で国民の皆様との双方向の対話となるタウンミーティングをスタートさせていくことで責任を果たしていきたい、このように考えております。

 また、自由民主党の総裁として申し上げるわけでありますが、主要銀行からの自由民主党への献金の問題でございます。主要行は、公的資金を導入して、そしてその後、不良債権を片付け、現在は大変な企業収益を上げているわけでございます。しかし、繰越欠損金の関係で法人税を納税していないというのも事実であります。それと同時に、先ほど申し上げましたように、公的資金によって立ち直ったという事実がございます。

 そこで、自由民主党総裁として、この段階で主要銀行から自由民主党が政治資金を受け取ることは国民の理解を得ることができない。このように判断をいたしました。主要行の方々に政治資金をお願いすることを遠慮させていただく。このように、先ほど幹事長に指示をしたところでございます。

 先ほど申し上げました、この国会におきまして、改正教育基本法が成立をいたしました。59年ぶりの改正となりました。私は、従来から教育基本法を改正するべきである、このように申し上げてまいりました。勿論、今まで、改正前の教育基本法が果たしてきた役割は大きなものがあるわけでありますが、その基本的な理念を受け継ぎながらも、しかし、それと同時に、公共の精神や自立の精神、あるいは道徳、そして、自分たちが生まれ育った地域や国に対する愛着・愛情、そうした価値観を今までやはりおろそかにしてきたのではないか。こうした価値観についても、しっかりと子どもたちに教えていくことが志を持った国民を育てていく。そして、真の意味での国際人を育てていくことにつながる。そのように私は考えていたわけであります。まさに、この改正教育基本法は、そうした考えにのっとったものであると自信を持っているところであります。

 いじめ等の問題について、こうした法案がすぐに効果を発揮するわけはないではないか、こんな批判があるわけであります。勿論いじめ等の問題につきましては、教育現場を含め、子ども、教育に関わる方々の意識の変革を促すとともに、また子どもたちから24時間常時電話で相談を受けられる体制等を整備をいたします。

 そしてまた、放課後子どもプランといった、放課後において子どもたちが一緒に遊んだり、あるいは地域や家族の人たちとともに時間を過ごす場をつくるべく、全国で放課後子どもプランを展開していくわけでありますが、しかし、この60年間を経て起こってきたさまざまな問題、地域の教育力の低下、大家族からいわゆる核家族への変化等、そうした問題に対応していくためには、しっかりと腰を据えた対応が必要であろうと、このように思います。

 この教育基本法の改正をスタートラインとして、私は教育の再生に取り組んでいきたい。そして、具体的な政策を実行していくために、法律の改正等、予算の措置等を行っていく考えであります。

 また、防衛庁の省昇格。これも国の安全保障を担う役所である防衛庁を省に昇格をしていく、極めて意義深いものであると、このように考えています。省昇格によって防衛庁の皆さん、あるいはまた自衛隊の隊員の皆さんは必ずその士気が高揚し、そして、国民の生命、身体、財産、美しい国土、地位を守っていくという崇高な使命を果たすために、更に献身的な貢献をしていただくと、そのように期待をしております。更に奮励努力していただくことを期待をしたいと、このように思っています。

 このたび、池田内閣で閣議決定して以来でありますが、こうした法案が成立をしたということは、日本の民主主義の成熟、そしてシビリアンコントロールへの自信を内外へ示すこととなった。そして、国際貢献についても、責任を持って日本はその役割を担っていくという意思を示すことにもなったのではないかと、このように思います。

 社会保険庁の改革についてでありますが、私がお約束をしておりましたように、解体、廃止、6分割することにいたしました。年金制度への国民の信頼を得るための組織にしていかなければならないと、このように思っております。これによって大幅な効率化、人員削減を果たしていきたいと、このように思います。

 19年度の予算編成でございます。私が初めて編成する予算であります。しっかりと財政の健全化を目指していく、財政再建をしていくという意思を示す予算にしなければならない、このように考えておりました。

 新規国債を過去最大の規模で減額することができました。地方交付税特会を加えますと6.3 兆円の財政の健全化ができたわけであります。また、プライマリーバランスの赤字につきましても、18年度の2分の1にすることができたわけであります。国内外に向かって、日本がしっかりと財政規律を守っていくという意思を、私は示すことができたのではないか、このように思います。

 また、定員削減につきましても、本年度大幅に上回る、2,000 人以上の削減を行うことにいたしました。道路財源につきましては、昭和29年ですから、私が生まれた年、ですから、これは52年経つわけですが、以来の大改革になったわけでございます。特定の税収が自動的にすべて道路整備に充てられるという仕組みを変えました。真に必要な道路の予算を超える額については、揮発油税を含めて一般財源化をする。つまり基本的には根っこからこれは一般財源化するわけでありますが、勿論必要な道路はつくっていくというのは当然であります。

 その上において、厳しい査定の上において、それ以外の予算については、まさに一般財源として使っていくということになります。必要な法制度改革は、平成20年の通常国会で必ず行っていくということは、お約束を申し上げます。

 19年度におきましても、3,000 億円以上を国債発行の減額に、この判断によって、この改革によって回すことが決まったわけでございます。

 負担を将来世代に先送りをしない、そういう意思を示すことによって、日本経済への信頼をしっかりと維持をしていきたいと考えております。そうした制約の下でもメリハリのついた予算編成を行ってまいりたいと考えています。

 先般、都内の小学校を訪問いたしました。そのときに、目を輝かしながら将来の夢を語っていた子どもたち、次の世代のための予算はしっかりと付けていきたいと考えています。教育をめぐる予算、あるいはまた少子化対策の予算に対しましては、まさにこれはメリハリをつけて力を入れてまいります。

 就任から3か月を経過いたしました。総理に就任早々中国と韓国を訪問いたしました。まず、東アジアにおける外交を展開し、そして、それぞれの国々の首脳と胸襟を開いて話ができる、信頼関係を培うことができました。その上において、ダイナミックな主張する外交を展開していきたいと、このように考えています。

 現在、6者協議が行われています。この6者協議においては、北朝鮮が核廃絶に向けて、しっかりと一歩前に踏み出すために、日本も他の国々と協力して全力を尽くしていきたいと思います。

 そしてそれと同時に、拉致問題の重要性についても当然訴えていかなければならないと思います。この問題が決して置き去りにされることのないように、我々は主張すべき点は主張してまいります。

 私の内閣は、まだスタートしたばかりでございます。しかし、その間、国会で法律が成立するに当たりまして、与党の皆様にも、また国会の関係者の皆様にも大変な御協力をいただきましたことに御礼を申し上げたいと思いますが、何よりも御理解をいただいた、支持をいただいた国民の皆様に感謝を申し上げたいと思います。

 また、私や私の内閣に対する御批判には謙虚に耳を傾けてまいりたい。その上で結果を出していくことによって国民の皆様の信頼を得たいと、このように考えています。今後とも、美しい国づくりに向けて全力を挙げて仕事をしてまいる決意でございます。

 以上であります。

【質疑応答】

【質問】 総理がかなり長くお話しになったので、なるべく簡潔に質問したいと思います。
 まず憲法改正についてお聞きしたいんですが、1つは内容、もう一つはスケジュールなんですけれども、内容については、自民党の憲法草案の第2次草案のようなものを前文と9条の見直しを含めて検討するお考えがあるかどうか。
 それから、スケジュールに関しては、総理が国民投票法案を早期に成立させて、5年ないしは6年以内に改正を実現したいというお考えですけれども、それ以上の具体的なスケジュールがなかなか出てこないものですから、その辺をより具体的に語っていただきたいと思います。

【安倍総理】 憲法の改正については、なぜ必要かというのは、私が今まで述べてきたとおりでありますが、自由民主党としては、当時私は幹事長代理でありましたが、私が幹事長のときに結党50年を期して新しい憲法の草案を国民の皆様にお示しをするというお約束をして、そして結党50年のときに草案ができ上がったわけであります。

 あの草案については、いろいろな議論があった後に、自由民主党としてとりまとめたものであって、勿論、個人的にはいろんな議論があるわけでありますが、私もとりまとめに当たった責任者として、この案が自由民主党としてはベストな案である、そして皆さんのコンセンサスを得た案であるという中で、国民の皆様にお示しをいたしました。しかし、憲法の改正は、3分の2を超える国会議員の発議が必要であります。これを基に、与党で、そして野党の方々とも成案を得るべく努力をしていきたいと思います。

 ですから、第2次案を自由民主党として出すということは、今の段階で考えていません。しかし、与党あるいは野党の方々との交渉の上において、どういう案になっていくか、それは政党間で議論をしていかなければいけない。そしてまた、国民的な議論を是非私は巻き起こしていきたいと思っております。そういう中で、国民の声にも耳を傾けながら、最終的な成案を政党間で話し合いをしながら得なければならない。

 スケジュールについては、これは大変な大作業であります。歴史的な大作業でありますが、私の在任中に何とか憲法の改正を成し遂げたいと考えております。

 まずは改正手続法である国民投票法案を来年の通常国会において、成立をさせたいと思います。

【質問】 集団的自衛権について、総理は憲法解釈を個別具体的な事例に即して研究したいとおっしゃっております。これまでに研究されました事例の数、そして結論が出たものがあれば教えていただきたいのですけれども、まだ出ていないようであれば、今後のタイムスケジュール、それからどのような形で国民にその結果を公表するのかを教えていただきたいと思います。
 それから、研究の進め方について、塩崎長官は総理の下に何らかの勉強の場を設けるのは筋という考えを一旦お示しになった後、今すぐにはそういう予定はないともおっしゃっていますけれども、総理はそういう研究の諮問機関のようなものを設けるお考えはおありでしょうか。

【安倍総理】 この60年間、日本の安全保障環境をめぐる状況は大きく変化をいたしました。大量破壊兵器の拡散や、あるいはテロとの闘い、地域紛争、そうした問題があります。そしてまた、世界の平和と安定のために日本の貢献も求められている中において、私は国民の生命、身体、財産を守る、そういう大きな責任を担う者として、日本を確実に、そして、国民を確実に守っていくために、安全保障上、どういう政策を遂行していくべきか。その際、憲法との関係、解釈をどう整理をしていくべきかという中から、何が禁止されている集団的自衛権であるか研究するべきだと、このように申し上げてまいりました。

 これは、基本的には諮問会議的にお願いをして検討してもらうということではなくて、政府において、また、私が責任を持って最終的な判断をしなければならない。また、政府内において研究を進めていかなければならないと考えています。

 その類型等についても、当然、それぞれの類型について研究をしていかなければならないわけでありますが、この安全保障の問題というのは相手との関係においても考えなければならない問題で、いろんなケース等を、これはよく検討、研究をしなければならないと思っています。現在、研究をしているところでございまして、まだ皆様方に個別具体的に類型として、これとこれとこれとこれ、いうことをお示しする段階ではございません。

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最終更新:2006年12月20日 23:51