オカシイ世の中覚え書き

2006.12.21号

「● 国会終了と国連加盟50年

 こんにちは、安倍晋三です。

 19日、総理大臣となって初めて臨んだ国会は、85日の会期を閉じました。 教育基本法や防衛庁を省へ移行する法律、地方分権改革推進法など多くの重要法案が成立しました。真摯な審議をしていただいた両院のみなさま、そして、何よりも、ご理解とご支持をくださった国民のみなさまに感謝いたします。

 教育の憲法ともいうべき教育基本法が59年ぶりに改正されました。

 戦後教育は、教育水準を向上させましたが、自律の精神や公共の精神、自分が生まれ育った地域や伝統に対する愛情、といった日本本来の価値観を置き去りにしたように思えてなりません。まずは、こうした価値観を、私たち大人が、子供たちに語り、教えていかなければなりません。

 戦後60年を経て、祖父母と同居する家族が減り、兄弟姉妹の数も減り、地域のふれあいも減る中で、こうした家庭や地域の大きな変化・教育力の低下を踏まえた、腰を据えた社会ぐるみの教育改革が必要だと思います。新しい基本法は、このことを正面から受け止め、21世紀にふさわしい教育の理念や原則を再構築したものであり、これを礎に教育改革を進めます。

 18日、日本は国連加盟50周年を迎えました。

 都内で開かれた記念式典で挨拶に立った私は、日本の世界平和への貢献と国連改革の必要性を訴えました。特に、冷戦終結後、その機能への期待が高まる安全保障理事会の構成は、国連創設以来60年以上が経ちましたが、ほとんど変化がなく、21世紀にふさわしい形に改革されなければなりません。

 日本の国連加盟が実現したその日、国連総会において当時の重光葵外務大臣は、「欧米及びアジア両文明の融合の産物」である日本こそ、「東西のかけ橋となり得る」と述べました。そして、「このような地位にある日本は、その大きな責任を充分自覚」していると、場内にいた加盟各国の代表に向けて宣言しました。

 国際社会においてその責任を果たしていくとの精神は、今でも変わることはありません。加盟から50年を経て、国際の平和と安全の維持に主要な責任を担う能力を持つにいたった今、わが国は、安保理の常任理事国となって、十分にその責任を果たしていくべきだと考えています。

 今年も早いもので、残すところ10日となり、メールマガジンも今年の最終号となりました。総理就任後はじめたメールマガジンには、温かい応援や励まし、厳しいご批判など、これまでに1万件にも及ぶ反響をいただきました。この場をかりて、読者のみなさまに厚くお礼申し上げます。

 明日22日は、冬至。1年で最も昼が短く、夜が長い日です。冬の寒さが厳しくなるこの日、風邪などの予防に、かぼちゃを食べたり、ゆず湯に入る風習が伝わっています。

 ノロウイルスが猛威をふるい、感染者が過去最大となっています。政府としても万全の対策を進めていますが、何事も予防が第一。みなさまも料理はよく加熱し、手洗いを徹底し、ウイルスに負けないよう頑張ってください。(晋)」

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最終更新:2006年12月23日 02:39