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オカシイ世の中覚え書き

政治・届かぬ『首相の言葉』“一方的”に語り“双方向”不熱心ー2006.12.23

安倍晋三首相の発信力が上がらない。国民との対話重視を掲げる首相だが、言葉遣いが慎重でインパクトに欠ける。自分が用意したメッセージを伝えようという意欲はおう盛だが、メディアなどの疑問に答えることには消極的なのも、首相の声が国民に届かない原因となっている。 

■13回繰り返し

 「一身上の都合だからやむを得ないと判断した」。首相は政府税制調査会の本間正明会長が辞任した二十一日、記者団に辞任を認めた理由について、同じフレーズを繰り返した。辞任を求めるムードが高まる中、首相は前日までは「職責を全うしてほしい」と主張していた。このため記者団の質問は、あっさりと了承した理由や任命責任に集中した。

 これに対し、首相は十三回も「一身上の都合だから」を口にした。

 用意されたフレーズの繰り返しは、首相の常とう手段だ。臨機応変に言葉を探して説明する姿勢はあまりない。だから、失言はないが、心に響く言葉もない。

 首相に対しては官邸内からさえも疑問の声が出始めている。ある政府筋は「首相は自分の言葉がない。官僚と違うのだから、もっと自由に話をしていいのに。育ちの良さは争えないが」と批評する。

■質問打ち切り

 十九日の記者会見では、首相は約十九分間、安倍内閣の実績や基本姿勢を訴え続けた。その後、記者団の質問が行われたが二問で打ち切りに。記者会見なのか講演会なのか分からなくなってしまった。

 首相は翌日、事務的な手違いがあったとして「申し訳なかった」と陳謝。長谷川栄一内閣広報官は「前例では、長くても二十五分程度だったので打ち切ってしまった」と釈明した。

 しかし、会見の冒頭に二十分近く話し続けること自体に、質問を受けるのをできるだけ少なくしようという首相の思いが透けてみえる。

■“昼ぶら”激減

 首相のぶら下がり取材は小泉前首相の時は、昼と夜の一日二回行われていたが、安倍首相は「一日一回」とする方針を打ち出した。その後、内閣記者会との交渉の中で「公務がなければ」などの条件で昼も応じるようにはなったが、その回数は、就任から三カ月間でたったの十回だった。

 確かに首相の昼は、国会の準備や来客などで多忙だ。ただ「三カ月で十回」という数字からは、メディアの先に国民がいるという意識が薄いように思えてならない。

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最終更新:2006年12月26日 01:22