民政党の濱口雄幸が首相になったのは1929(昭和4)年。アメリカで大恐慌が起きた年であった。
厳しい経済状態のなかで登場したという点からして、濱口首相と小泉首相には共通点がある。
当時の政界は、政友会と民政党の2大政党時代。日本経済は大正バブルがはじけ、昭和金融恐慌後のゆるやかなデフレが続いていた時代であった。
そんななか、当時の財界には、生産性の低い企業を整理・集約しようという機運が生まれた。いわゆる「財界整理」と呼ばれる動きである。これはまさに、現在の不良債権処理と同様である。
首相に就任すると、彼はまず「腐敗の徹底的な追及」を叫ぶ。このあたりも、自民党の経世会支配打倒を目指した小泉首相を思わせる。
具体的な政策として、彼は、軍部を含む財政の大幅カット。そして第一次大戦中に中止していた金本位制への復帰を、1930年に強行した。
金解禁の目的は、グローバルスタンダードへの追従である。彼は諸外国に取り残されることを何よりも嫌った。このあたりも、小泉首相の一連の政策に通じるものがある。
ちなみに、金本位制に移行すると、より厳しい為替レートが必要となる。また、むやみに札を刷ることができないため、必然的に金融は引き締めに向かわざるをえない。いきつく先は、強烈なデフレである。
まるで、小泉首相就任後の日本経済そのものである。
最終更新:2007年01月03日 01:14