はたして、濱口と小泉という二人の首相の政策と人気は、たまたま似通っているだけなのだろうか。それとも、歴史的に意味があるのだろうか。
そんなことを考えていると、私の頭には次の2つの歴史的事実が浮かんでくる。
1つは、長くデフレが続くと、独裁者が生まれるという歴史的事実。
ドイツでは、第一次世界大戦敗戦後の1923年に超インフレが起きたが、その後にデフレに転換。長期の不況に落ち込んだ。そこで登場したのがヒトラーであった。
イタリアのムッソリーニ、ロシアのスターリンにしても、長期のデフレ不況の最中に登場している。
もう1つは、時代の転換期にカリスマ待望論が起きるという事実。これは、「苦しくなればなるほど、カリスマに心をゆだねたくなる」という人間の性に関係するのだろう。
この典型的な例が、これまで日本で起きた3回の大きな宗教ブーム--鎌倉仏教の時代、明治維新、太平洋戦争直後である。
浄土真宗や日蓮宗など、ざまざまな宗派が登場した鎌倉仏教のブームは、貴族から武士への時代の転換期であったし、明治維新や太平洋戦争直後という大きな転換期にも、さまざまな新興宗教が登場している。
旧体制が崩壊した直後は、一般庶民の生活や価値観が不安であり、俗にいえば「苦しいときの神頼み」という気分になるのだろう。
そう考えれば、現代もまた価値観が大きく変わりつつある時代である。
「苦しいときのカリスマ頼み」という気分が充満し、「小泉のようなやつにまかせれば、世の中をうまく変革してくれるだろう」と思い込んだに違いない。
それが、ユーフォリアを起こしたベースにあるのだろう。
そうでも考えない限り、今回の小泉自民党の圧勝は説明がつかないのである。
最終更新:2007年01月03日 01:17