練が待ち受ける安倍首相=就任100日
2006年12月25日(月)16:26
(時事通信)
【東京25日】フランスのAFP通信は25日、安倍晋三首相(写真)の100日とのタイトルで、同首相は長年温めてきた保守的な改革を進める一方で、中国や韓国との関係を改善したが、支持率は低下しており、来年の厳しさを予想させると報じている。
日本の戦後生まれの初の首相である安倍氏は、就任直後に中国と韓国を訪問し、小泉前首相の下で靖国神社参拝問題をめぐって悪化した両国との関係を修復した。一橋大学の加藤哲郎教授は、安倍首相は小泉政権下で最悪となっていた中国との関係を何とか修復することで、良いスタートを切ったと語った。また専門家は、安倍首相の中国、韓国訪問中の10月9日に北朝鮮が核実験を実施したことも、同国に厳しい態度を取ってきた安倍氏には追い風となったと指摘する。加藤教授は、安倍首相は北朝鮮の核危機を外交手段として利用することができて幸運だったと分析する。
これを受けて安倍首相は、これまで海外諸国の日本に対する不安の原因となってきた国内改革の実現に向けて、全速力で取り組んだ。首相は、防衛庁の省への昇格、愛国心を強調する教育基本法改正の法案を成立させ、日本の敗戦以来続いてきた2つのタブーを打ち破った。この2つの措置は、安倍首相の最終目標である、戦争永久放棄などを定めた米国の押し付けで1947年に発効した憲法の改正へのステップとみられている。戦時下の内閣で閣僚を務め、戦後首相となった岸信介氏を祖父に持つ安倍首相は、在職中(最大6年)に憲法を改正したいと表明している。
坂本義和東大名誉教授は、小泉前首相はポピュリストの指導者だったが、安倍氏は日本の戦後体制からの脱却を目指す強固なイデオロギーを持った政治家だと指摘する。同名誉教授は、安倍首相は国家主義的な発言や政策を続けそうで、最終的にはこのようなアプローチがアジア諸国との関係に影響を及ぼす可能性があると指摘した。
小泉氏は首相在職の5年間を通じて、国民の高い支持を維持したが、安倍首相の支持率は早くも急激に低下している。同首相は郵政民営化造反議員の自民復党や本間政府税制調査会長のスキャンダルなどで厳しい批判を浴びている。安倍政権にとって来年の大きなハードルは、7月の参院選と消費税引き上げ問題をいつ提起するかであろう。
消費税に関しては、過去に、3%の同税を導入した竹下首相が退陣を余儀なくされ、その後、97年に同税の率を5%に引き上げた橋本首相も、翌98年の参院選で敗れて辞任した。
坂本名誉教授は、安倍首相がイデオロギーを脇に置き、国民が真に何を必要とし、何を望んでいるかに耳を傾けなければ、強力で安定した政権基盤は望めないかもしれないと述べている。〔AFP=時事〕
最終更新:2007年01月09日 02:05