防衛省始動 基地負担増指摘も
防衛庁が9日、省に昇格したことに対し、県内の平和団体は「戦争への道を突き進むものだ」「運動側だけでなく国民全体も疑問を持っている。そうした声を無視している」などと強く反発、自衛隊の海外派兵などに反対していく運動を強化する考えを示した。一方、県内の自衛隊関係者は「有事に備えるべきだ。やっと他国並みになった」と歓迎した。
沖縄平和運動センターの崎山嗣幸議長は「省への昇格は名前が変わっただけでなく、自衛隊の海外派遣が恒常化するなど軍事的役割の強化を意味している。米軍と共同の軍事行動も心配だ。日本が軍事へ傾斜している危険性を明らかにし、軍事行動への反対運動を強化したい」と話した。
反戦地主会の活動を支援している違憲共闘会議の有銘政夫議長は「国の政治は戦争への道に恐怖を抱く国民の声を無視し、なりふり構わずといった感じだ。米軍再編による日米の軍事一体化に向けて法や環境を整えている印象だが、国民はそれを支持していない」と批判した。
沖縄大学の佐久川政一名誉教授(憲法学)は「昇格は憲法改正にも関連しており、戦争のできる国づくりのために外堀を埋めているという感じがする。米軍再編では基地の負担軽減と言いながら、日米の軍事一体化が着々と進められている」と指摘。「防衛省になれば、予算の編成なども単独ででき、基地機能が強化される。基地の重圧は避けられず、沖縄にとってはプラスにはならない。残念」と話した。
県内の自衛隊駐屯地でも9日午前、久間章生防衛相らのあいさつが放送された。
自衛官の男性(35)は、「今までは国際貢献活動は付随的任務だったが、これからは本来任務になる。海外に行く機会があったら現地のニーズに応えられるように、いかなる状況にも対応できるよう、物心両面で備えておかないといけない」と述べた。その上で「『庁』が『省』に変わったからといって、急に(任務が)変わるとは思えないが、指揮官の命令があれば、危険な地域であっても行かないといけなくなる。自分は命令が出れば従うつもりだ」と話した。
自衛隊OBでつくる県隊友会の石嶺邦夫会長は「かねてから他国並みの正常な形を期待していたので願いがかなったという思いだ。戦後60年が過ぎ、国防に対する国民の理解が深まっている」と省昇格を高く評価。米軍再編に伴う自衛隊と米軍との共同使用への影響については「県民負担が増えることはないと思う。日米安保に基づき、有事に備え、日米で意思疎通を密にし対処能力を高めておくのは必要だ」と語った。
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最終更新:2007年01月10日 02:48