出るわ、出るわ、安倍政権のスキャンダルが止まらない。消しても消しても、別のところから火の手が上がる。これほど醜悪な内閣があっただろうか。疑惑閣僚のオールスターキャストで、よくもまあ、「美しい国づくり」なんて言えたものである。
真っ先に炸裂した本間正明税調会長のスキャンダルは、公務員宿舎での愛人同棲だった。しかし、その後発覚した大臣連中の疑惑を前にすると、家賃7万7000円の問題などかすんでしまう。それほど安倍内閣の閣僚たちは怪しいのだ。
メディアから「佐田玄一郎行革相の次の辞任候補」と報じられているのが松岡利勝農水相。詐欺まがい商法をやっていたコンサルティング会社の関連団体にパー券などを買ってもらっていながら政治資金収支報告書に記載しなかった上、この団体のNPO法人申請をめぐり内閣府に「よろしく」と口添え。自らの資金管理団体が家賃のかからない議員会館を事務所にしながら、05年で3359万円の事務所費を計上していた問題も浮上した。佐田前行革相と同じ不正経理疑惑である。
伊吹文明文科相と自民党の中川昭一政調会長の疑惑も構図は同じだ。議員会館を事務所にしながら、05年に伊吹は4146万円、中川は3096万円を計上。飲み食いに使ったカネまで「事務所の経費」で処理していたというから、呆れるしかない。
このほか、菅義偉総務相、渡辺喜美行革相、丹羽雄哉総務会長も、議員会館に資金管理団体を置きながら事務所費を計上していた。
不正経理の輪は拡大の一途である。
●発足3カ月で「ポスト安倍」宣言
初代防衛相となった久間章生氏には、暴力団の影がつきまとう。
「10年前に初めて防衛庁長官になったとき、現役の暴力団組長と長官室で記念撮影していたし、元暴力団組長を私設秘書にして問題になったこともありました。昨年末にも、暴力団関係者を伴って赤坂の韓国クラブに出入りしていると報じられています。かつてはイトマン事件の許永中が実質的に経営する会社の代表取締役をやっていたこともあり、何かと問題が多い人物です」(政界関係者)
久間は東京・港区に自宅マンションを所有しながら、格安の議員宿舎も使っている。「東京23区に住居を所有していない者」という入居基準を破っていても、へっちゃららしい。
尾身幸次財務相にも沖縄疑惑がある。尾身本人が深く関わっている「沖縄科学技術大学院大学」の運営者側に国の予算増額の方法を伝授。これが財務相の職務権限との兼ね合いから問題視されているのだ。
「これほど多くのスキャンダルが連鎖的に発覚した内閣は初めてでしょう。しかも、大臣も党三役もバラバラで勝手に動いている。安倍政権は発足から3カ月ですが、まるで政権末期のようです」(政治評論家・山口朝雄氏)
いまや閣議で安倍が着席しても、私語をやめない閣僚までいるというから酷いものだ。この政権は終わりが近いと見切ったのだろう。麻生外相からは「ポスト安倍宣言」まで飛び出す始末である。やはり安倍が首相をやるのは早すぎたようだ。
●保身第一で、見て見ぬふりの無責任国会議員
これだけ閣僚の疑惑が噴出し、政権が末期症状なら、さすがに政権与党の中からも批判の声が上がってもおかしくない。安倍首相の退陣を求める動きがあって当然だ。なのに、自民も公明も一切、無視を決め込んでいるから、どうしようもない。
一昔前ならひとりくらい、政権に苦言を呈する硬骨の議員がいたものだが、いまやゼロだ。自民、公明の全国会議員が無責任な体質になっている。
「2世、3世が増えたこともあって、自民党はサラリーマンのような政治家ばかりになっています。家業を継ぐような気分で政治家になっているから、政治に対する使命感も情熱もない。とくに小泉政権以降は、執行部に睨まれたら選挙の公認や大臣ポストで不利益をこうむると恐れて、言いたいことも言わず、保身第一と口を閉ざす議員が増えています」(政治評論家・有馬晴海氏)
だいたい、国会審議を見ても、多くの自民党議員が寝ているのだから、ふざけている。議会をサボって欠席する議員があまりに多いために、河野洋平衆院議長が「出席状況が悪い」「議長席から見ていると、新聞を読む人、携帯をかけている人が目につく」と注意する始末だ。
これじゃあ、閣僚のスキャンダルが続出しようが、自民、公明から批判の声が上がらないのも納得。
逆に言えば、そんな議員のなかから大臣が選ばれているのだから、疑惑まみれも当然ということだ。
●懸念される跳ね返りの軽挙妄動
しかも、自民、公明がやっているのは、国民イジメの政策ばかりだ。
今年、来年の増税ラッシュで、年収700万円のサラリーマンの負担増は42万円である。さらに、何時間働かされようが残業代が支払われない「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入までもくろんでいる。
自分たちは、年間2400万円の議員歳費に1200万円の文書交通費、さらに1人当たり5000万円近い政党助成金を受け取って、連日、銀座だ、赤坂だとドンチャン騒ぎしているのだから冗談じゃない。4月からは、相場50万円の超デラックスな議員宿舎に、わずか9万円の格安家賃で入居しようというのだから、いくらなんでもヒド過ぎる。大臣は軒並みスキャンダルにまみれ、特権を享受する与党議員たちはデタラメ内閣を見て見ぬふり――。こんな政治を続けていたら、この国は取り返しのつかないことになる。
「いざなぎ景気超えが叫ばれながら、普通のサラリーマンは年々、生活が苦しくなっています。生活保護、自殺者も急増している。その一方で政治の腐敗、堕落は目を覆うばかり。こうなると懸念されるのは、テロのたぐいです。跳ね返りや思いつめた人物が軽挙妄動に走りかねない。自民、公明の議員は、少しは自覚を持つべきです」(九大名誉教授・斎藤文男氏=憲法)
一日でも早く、安倍末期症状首相を退陣させないとこの国は大変なことになってしまう。
【2007年1月12日掲載記事】
[ 2007年1月15日10時00分 ]
最終更新:2007年01月19日 02:13