柳沢伯夫厚生労働相は二十七日、松江市で開かれた自民県議の決起集会で、「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と女性を機械に例えて少子化問題を解説した。
柳沢厚労相は「これからの年金・福祉・医療の展望について」と題し約三十分間講演。出生率の低下に言及し「機械って言っちゃ申し訳ないけど」「機械って言ってごめんなさいね」との言葉を挟みながら、「十五-五十歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と述べた。
厚労省は昨年十二月、人口推計を下方修正。この時、柳沢厚労相は「子供を持ちたいという若い人たちは多い。その希望に応えられるよう、できる限りの努力をしていきたい」と話していた。
柳沢厚労相は同日夜、静岡県掛川市で共同通信の取材に応じ「人口統計学の話をしていて、イメージを分かりやすくするために子供を産み出す装置という言葉を使った」と説明。「(発言の後)すぐに、大変失礼なので、どういう言葉で取り消したか記憶にないが、取り消して話を続けた。その場で適切でないと、とっさに何度か言い換えた」と話した。
■『情けない』 批判相次ぐ
女性は「産む機械、装置」-。柳沢厚労相が二十七日、集会で述べたこんな発言に、子育て中の母親や識者からは「反発を感じる」「本音が出た。情けない」など批判が相次いだ。
一人息子を育てている生活コラムニスト、ももせいづみさんは「すごく反感を感じる。女性が出産するのは、少子化解消のためではなく、産めば幸せになるからでしょう」と顔をしかめる。「子供を持った女性がつらい思いをしたり損をしたりしない社会にするのが大切なのに…。育児を分かっていない人が政策を決めているのかと不安になる」
ノンフィクション作家吉永みち子さんは「隠しておかなければいけない本音がつい出てしまった」とみる。「少子化対策は、なぜ女性が子供を持てないのかを深く考えなければいけないのに、旗振り役が女性を『産む機械』とみなしていたとは情けない。どんな対策案を出されても女性の側に立ったものと思えなくなる」と手厳しかった。
東京新聞
最終更新:2007年01月29日 02:01