この人が言うと、なんともウサンくさい。安倍首相が急に「中国残留孤児」の支援拡大を言い出した。
日本に永住帰国した残留孤児は約2500人。言葉の問題から就労できず、生活保護を受けている帰国者がほとんどだ。しかも30日には東京地裁が、「国の賠償」を認めない冷酷な判決を言い渡した。そんなタイミングを見計らって、「それなら私が温情のあるところを見せよう」となったのだ。
支援策の柱は、単身者に月13万円、配偶者に5万円加算の給付金支給というもの。31日、官邸で首相と面会した残留孤児訴訟の原告代表・池田澄江さん(62)は「きのうは地獄だったが、きょうは天国に上る気持ちだった。日本に帰ってきてよかった」と語った。
中国事情に詳しい政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「中国残留孤児の生活が困窮しているのは事実。支援拡大はいいことだと思います。でも、なぜ今、安倍さんがという疑問が出てくる。安倍さんの中国嫌いは有名だし、NHKの従軍慰安婦問題の番組に圧力をかけたように、戦争の犠牲者や弱者に温かい目を向けてきたとは思えない。なぜ突然、豹変なのか。急落している支持率回復のための人気取りとしか思えません」
師匠である小泉首相も就任直後、ハンセン病患者たちに温情を見せる大胆決断をして拍手喝采を浴びた。要は、「二匹目のドジョウ」を狙ったというわけか。朝日新聞によると、「首相の決断」のセリフは厚労省幹部が書き上げ、与党の対策チームが首相に手柄をあげさせようと周到演出したそうだから、「なーんだ」ってなものである。
「安倍首相は、冷酷判決が出た直後、カッコいい正義の騎士を気取ったつもりでしょう。周りもお膳立てをしてきた。でも、せっかくの支援拡大ニュースも、柳沢大臣問題でかき消されてしまった。不純な動機からやり慣れないことをすると、こうなるのです」(本澤二郎氏=前出)
支持率回復は無理?
【2007年2月1日掲載記事】
[ 2007年2月4日10時00分 ]
最終更新:2007年02月05日 02:07