オカシイ世の中覚え書き

第166回国会・参議院厚生労働委員会議事録 2月15日 島田智哉子氏の質問

○島田智哉子君 民主党・新緑風会の島田智哉子でございます。よろしくお願いいたします。
 私からも一連の柳澤大臣の発言についてお伺いいたしたいと思います。
 一年間の分娩件数はおよそ百八万件、一日当たり三千人以上の、およそ三千人以上のお母さん方が出産されておられます。大臣の発言がありましたその日にもたくさんのお母さん方が我が子の出産という一大事に命懸けで頑張っていらっしゃったのです。多くの場合において無事に赤ちゃんが生まれて、御家族共々お喜びになられたことと思います。
 しかしながら、出産は一方では喜びだけではございません。先般の奈良のケースのように、お母さんが自らの命と引換えに我が子の命を守る、また命に代えても我が子を守れなかったという悲しみに直面している母、そして家族もあったかもしれません。
 大臣、出産そしてその命の誕生というのはそう簡単なものではありません。大臣におかれましてはこれまで再三にわたっておわびをしていらっしゃいますけれども、大臣御自身が厚生労働大臣の職にとどまることについて、子供の誕生を願う母親、悲しみに直面している母親や家族がどのように感じるとお考えでしょうか。大臣の率直な御認識をお聞かせください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 度々申し上げたことを重ねて申し上げるようになってしまうわけですけれども、私、松江で講演しました。そして、そのときに今、山本先生がお示しになられたような人口推計のお話をしたわけです。その中で、女性と人口との関係について本当に不適切な発言をしまして、女性の皆さん、特に出産というような本当に命懸けの仕事というか、そういう命懸けの営為ですね、そういうことをやられる女性の方、そして広くまた国民の皆さんのお気持ちを傷付けてしまいまして、本当にこれは申し訳ない極みであると、このように思っております。本当に反省しておりますけれども、その反省の上に立って、力一杯私の所掌の仕事に取り組んでいきたいと、このように考えています。
○島田智哉子君 機械からは機械しか生まれません。数としてではなくて、国民一人一人のその命の尊さをもっと重く認識していただきたいと思います。
 それでは、少子化対策について、私は妊娠、出産をした女性が働きやすく、働き続けることができる職場環境の整備という観点から御質問申し上げます。
 出生率低下の要因として、非婚、晩婚、晩産化、そして出産育児費用の増加などが指摘されております。意識調査によりますと、そもそも結婚するつもりはないという方は多くはいらっしゃいませんし、また子供を欲しくないという方も決して多いわけではございません。しかしながら、格差社会において雇用、収入の不安定な若者が増加し、子供を持ち育てる意欲があっても経済的な理由からあきらめてしまう方々が増えています。
 経済力への不安が非婚化、晩婚化、そして子供を持たない、持てない大きな理由となっています。若年層の共働きが上昇していますが、こうした子育て世代の不安を和らげる上で、女性が結婚、妊娠、出産後も仕事を続けられる環境を整備することは極めて重要だと思います。
 先ほどの御答弁でも、また先週の予算委員会の中でも、高市大臣は、企業で幾ら制度があっても使えないだとか、不妊治療をしている人に対して休みを取るのも理解してもらえないとか、地域社会の中で支え合うための空気づくりというものが必要だと思うとおっしゃいました。正に、子供を産み育てながら働き続けられる職場における環境の整備、そして何よりも働く者同士、お互いの理解、支え合いが必要なんだと思います。
 まず、高市大臣にこの点について御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) よく少子化対策といいますと、出生率の目標だとか人口政策としてとらえられがちですけれども、私が今の仕事に就いて一番大切に思っている価値は、人生一回ですから、男性であれ女性であれ、やはりその人生で自分が成し遂げたいという夢を一つでも多く実現できる、そういう社会にしたいということです。ですから、女性が出産、子育てか仕事か、どっちか片っ方あきらめなきゃいけないとか、どっちか片っ方選ばなきゃいけないと、二者択一しかないというような状況ではこれは大変残念なことだと思いますので、やはりキャリアを積みたい、若しくは仕事を続けざるを得ないという場合もあるかと思いますけれども、仕事とそして出産、子育て、両立できる環境をつくりたいと、こういった思いでございます。
 特に、平成十九年度の予算案の中では、事業所内の託児所を設置される中小企業の事業主に対する助成措置の拡充ですとか、育児休業給付の給付率の引上げ、これは十月からでございますけれども、そういった経済的な措置でございますとか、また企業独自の給付を育児休業の取得者に対して行った事業主に対して助成制度を創設するとか、こういった対策は盛り込まれております。
 ただ、もう一歩進んで、やはり企業の中で経営者の方も同僚も、出産、育児をされる、それが男性であれ女性であれ、子育てをされるために自分の時間が欲しいと、必要だという人に対する理解を深める。それから、企業にとってもメリットがあるんだと。ファミリー・フレンドリーな企業というのは生産性が非常に高いとか、それから従業員の方に休んでいただかなきゃいけませんから、無駄な仕事を見直す、仕事の効率化をきちっと図っていく、こういった工夫がなされているというふうな調査の結果も昨日ですね、これは男女共同参画会議で発表されたところでございますので、企業の方にもメリット、いい人材を集め、企業の生産性を上げるためにも、もっともっと少子化対策にも協力し、家族を応援する姿勢を取ってください、こういう情報をどんどん発信していきとうございますしね。
 それから、やはり働く方にも経営者にも今ある法律をまずきちっと遵守していただくと。育児・介護休業法もそうです、男女雇用機会均等法もそうです。こういったものをきちっと遵守していただくと、こういったことを徹底していきたいと思っております。
○島田智哉子君 同じ女性として本当に心強く思います。また、その働く女性が安心して子供を産み育てることができるよう、大臣のおっしゃるように、社会全体が意識を変えていく必要があるということが求められているんだと思います。
 以前は女性が結婚や妊娠、出産を機に退職する、退職を余儀なくされるケースが多く見られましたけれども、このような性別を理由とした不当な差別については、大臣がおっしゃいましたように、男女雇用機会均等法によって明確に禁じられ、職場環境の改善が進められているんだと思いますけれども、この四月には間接差別という新たな概念を盛り込んだ改正男女雇用機会均等法が施行されるわけですけれども、正に私は少子化対策の観点からも雇用機会均等政策が果たさなければならない役割というのはとても大きいものがあるんだと思います。
 この点については武見副大臣のお考えをお聞かせください。
○副大臣(武見敬三君) 委員御指摘の点は全く私も同感でございます。人口が減少する社会の中で、日本が本当に活力のある社会を維持発展させていくということのためには、正にこうした少子化対策と雇用均等行政とを、これを表裏一体のものとして考えていくという基本姿勢は非常に重要であろうというふうにまず認識しております。
 そのために、子育ての総合的な支援とともに、公正かつ多様な働き方を実現できる労働環境の整備が極めて重要な課題であって、雇用均等行政が担う男女雇用機会均等対策、それから仕事と家庭の両立支援対策、パートタイム労働対策などは、これからの課題に対応し少子化対策の一役を担う役割を持つ具体的な政策だと、こういうふうに考えております。
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 男女差別ですとかセクシュアルハラスメントの問題はもちろんですけれども、働く女性の母性管理でありますとか、仕事と育児、介護の両立といった問題につきましても、雇用均等行政における需要が急速に増加しております。また、改正男女雇用機会均等法が四月に施行されようとしている中で、私は現在の雇用均等行政において、それらに対応する機能を果たしているんだろうかというふうに思っております。また、厚生労働省としてあるいは都道府県の労働局の雇用均等室という組織が組織として行政サービスを行う機能を果たしているんだろうかと、そのことに対して実は大変に疑念を抱いております。
 例えば、機会均等調停会議による調停についてですけれども、厚生労働省の重点施策として、妊娠、出産を理由とする解雇等に関する個別紛争については、機会均等調停会議による調停を積極的に運用するとされておりますが、ここ数年の調停申請件数を見ますと、平成十二年度三件、十三年度五件、十四年度十一件、十五年度二件、十六年度三件、十七年度四件、極めて低くなっております。この要因についてはいかがお考えでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) ただいま機会均等調停会議によるその調停の件数についての御指摘がございましたけれども、確かに御指摘のとおり、近時、非常に少ない数字で推移しております。これは、調停制度の存在がよく知られていなかったり、あるいはその相談される方御自身が名前を明らかにして事業主と争うと、こういったことをちゅうちょされる、こういった理由があって活用が進んでいないんではないかというふうに考えております。
 今後とも、この調停制度があるということについて周知を徹底していくとともに、雇用均等法に関する個別紛争についての相談があった場合に積極的にこういった調停の利用についても説明するようにということもありまして、実はこの二月の五日でありますけれども、全国雇用均等室長会議というものが開かれたわけでありますが、そういった席でも今申し上げたようなことを徹底するように、一層活用するように指示、指導したところでございます。
 今後とも、御指摘の趣旨で調停制度の活用を図りたいと考えております。
○島田智哉子君 おっしゃるように、確かにその背景には、まだまだ労働者の方々に周知されていないと、あるいは相談まではしたとしても、相談者、相手側からちょっと調停まではという抵抗感が強くあるということも事実だと思うんですけれども、しかし、一方の当事者からの申請で調停が開始可能となった平成十一年度では三十一件と一気に増加したという経緯もございます。
 その意味におきましても、私自身、先々週、秘書二人との三人で、ある都道府県の雇用均等室にお邪魔をいたしまして、その辺りの現場の実情をお聞きしてまいったんですけれども、私自身の持った疑念として、果たしてその調停件数が極めて少ないのはそうした理由だけなんだろうかと、実は行政機能として、組織機能としてまだまだ改善される余地が少なくないんではないかという印象を持って帰ってまいりました。
 例えば、雇用機会均等法二十五条あるいは育児・介護休業法五十六条に基づく事業主指導についてですが、まず、その目的と具体的な業務内容についてお聞かせください。
○政府参考人(大谷泰夫君) 男女雇用機会均等法第二十五条及び育児・介護休業法第五十六条に基づきます報告徴収並びに助言、指導及び勧告は、この法の目的を達成するための行政機関固有の権限といたしまして、厚生労働大臣又は都道府県の労働局長がそれぞれの法律の施行に関し必要と認めるときに事業主に対して行うものでございます。
 この雇用均等室における具体的な業務内容でありますけれども、労働者の方からの相談等を一つのきっかけにしたり、あるいは計画的な事業場の訪問というものを行ったりいたしまして、事業主に対して男女雇用機会均等法又は育児・介護休業法に基づく雇用管理を実施しているかどうかという事情聴取を行う、また、法に違反している場合には都道府県労働局長の名前で助言、指導、勧告を行うと、こういったことを行っているものであります。
○島田智哉子君 この雇用機会均等法二十五条について、今日、委員の先生方のお手元にも資料をお配りしているんですけれども、厚生労働省の業務マニュアルに書かれておりますのは、その事情聴取の内容、そして提出された関係資料については的確に分類、整理をして、そして分析を行うということです。
 そして、その業務に大変に重要な役割を果たすのが、このお手元にお配りしております一枚目の資料、二十五条カードということになるわけですけれども、現場に出向く前に本省の担当の方に御説明をお聞きしました際には、病院でいえばカルテのようなものですと表現されました。つまりはそれだけ重要な資料であるんだと思います。しかし、その分類、整理ができていないこともあるやにお聞きしておりましたので、現場に出向いた際に、例えばそのカード、昨年度中の対象案件の中で年度中に室長が決裁されていない件数はどれくらいあるものかとお伺いしましたところ、そのようなケースはありませんと。再三お聞きしましても、ありませんと。では、それを御確認いただきたいと再三申し上げても、ないですと。そのような御回答でした。
 ただ、私自身、そのような御対応に納得できなかったものですから、改めて本省を通じて問い合わせをさせていただきました。資料二枚目がいただいた回答です。
 昨年度、二十五条カードの作成対象となる事業場数は二百五十九件。そのうち、現場で再三お聞きしても、ないとの答えしかいただけなかった昨年度末において室長印のない未決裁状況にあったカード数について、二十五条カードは室長決裁日欄がないため把握できないと。では、私が参りました二月二日現在ではどうかという問いに対しましては、カードを作成して室長決裁のないカードはゼロ件、ただしカードそのものを作成していないものが三十七件ありましたと。つまり、未決裁のカードと聞かれたので、ないと答えたと。ただ、その未作成のものは多数あったというわけなんです。作成していて決裁のないものより、作成していないというのはそれ以前の問題ではないですか。また、室長の決裁日が把握できないということですけれども、これも極めて問題があると思います。二十五条カードは五年間管理、保存することになっていますが、ではこれはいつから五年間になるんでしょうか。極めて誠意のない御対応であり、担当部局に強く抗議いたしたいと思います。局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) ただいま御指摘いただきましたこの二十五条カードでありますけれども、これは今御説明のとおり、この均等法第二十五条に基づく報告徴収、それから助言、指導、勧告を実施した場合に、その内容を記録し、業務の進捗状況をこれは所内で管理するための内部の事務処理用の文書でございます。
 御視察に行かれたその労働局の雇用均等室におきまして、平成十七年度において実施しました報告徴収のうち、これも今お話しのとおりでありますが、これは決裁未了というよりもその前段階でありますけれども、いわゆるカードの未作成のものがあったということでございまして、これは私どもも確認の上、承知したところでございます。
 本来、この二十五条カードと申しますのは、報告徴収あるいはその実施後の速やか、報告徴収実施後に速やかにこれは作成されるべきものでありまして、当該労働局の雇用均等室においては、未作成のカードがあったということについて十分把握でき得なかったということ、またその適切な説明が行われていなかったということは誠に遺憾なことであったというふうに思います。その対応につきましては、誠に不十分であったということでおわび申し上げたいと思います。
○島田智哉子君 私が参りました二月二日の時点では、室長さんを含め四名の方から御説明をいただきました。皆さんその事実を御存じでありながら御説明いただけなかったのか、それとも皆さんそうした事実をどなたも把握されていなかったのか、どういうことなんでしょうか。私は漠然とした答弁は要りません。それから、室長が決裁した日を書く欄がないので、いつ決裁したかは把握できないという、そういう点もきちんと答えていただきたいと思います。室長が把握していないとか、把握できないということは、組織として全く機能していないということではないでしょうか。再度御答弁いただきます。
○政府参考人(大谷泰夫君) 室長が全体の進行管理をきちっとできていなかったということは、誠にこれは望ましくないということで、そういうことがないように今後厳重に注意、指導していきたいと思います。
○島田智哉子君 私自身は、法の実効性が確保されているのかどうか、もし問題や課題があるとすればその背景にはどういった問題があるのか、そうした実情を少しでもお聞かせいただきたいという思いでお伺いしたのであって、都合の悪いことは隠すとかごまかすとか、それに対する本省の対応についても、それを無理に正当化するという対応自体、これは私自身という問題ではなくて、国会に対して誠に不誠実であると思います。議員の立場でもあられる武見副大臣の御見解についてもお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(武見敬三君) 御指摘の点は極めて具体的な点、室長の決裁等を含めて、やはり改めてこれをきちんと検討し直して、改めてこうした問題が起きないように厳しく対応しなければならない問題だろうというふうに考えております。
○島田智哉子君 いえ、武見副大臣、私は、議員が調査に行ってそういう態度を取られたということに対して、自分がおごり高ぶった考えではなくて、国民の皆さんの負託を受けて議員となって、そして仕事をさせていただいているわけでして、そういった、もう一度調べてくださいと言っていることに対して、ないの一点張り、ありませんの一点張りでした。そういった対応を受けて、誠に不誠実な対応を受けたことに関して議員としていかがお考えかとお聞きしているんです。
○副大臣(武見敬三君) 私も、同じく国民から選ばれた国会議員として、行政府に対するきちんとしたチェック機能というものを果たす責務がございます。そのことも私も十分認識した上で、実際に御視察に行かれたときに現場でそうした不誠実な対応がなされたということに対しては、大変に遺憾に思います。
 具体的な内容、お聞きしているその中身も、やはり実際にかなり問題もあるということも今日よく認識をできましたので、私も担当の副大臣としてでき得る限りの努力をして、こうした問題を具体的に是正する努力をいたします。
○島田智哉子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 この二十五条カードを的確に分類、整理をして、そしてその分析を行うということで現状を明らかにして、今後の相談、指導につなげていくと、とても重要な業務であると思います。そして、そもそも分類、整理どころか作成されていないというのであれば、どのように分析されているんでしょうか。
 それから、その均等室の説明の中で、昨年度の相談件数が前年度比およそ一九%も少なかったということでしたが、その要因についていかがお考えでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 先ほどの未処理の部分につきましては、これは早急に処理をさせたところでありまして、今後ともそういうことがないようにこれは厳重に指導していきたいとは思っております。
 それから、今御指摘のありました、法に基づきまして平成十七年度に受理しました相談件数がこれは前年度に比べて減少をしたところでありますけれども、これは特にセクシュアルハラスメントに関する相談件数の減少が原因であったというふうに理解しております。
 この相談は、相談者から労働局の雇用均等室のアプローチがあってこれは初めて成立する業務でありますけれども、この減少した要因を正確に分析するのはなかなか難しいわけでありますが、このセクシュアルハラスメントに関しましては、これまでの周知徹底の効果で企業等からの簡易な問い合わせが減るとともに、企業が個別的な対応を考えて行ったということで雇用均等室に寄せられた労働者からの相談も減少したのではないかというふうに見ておりますが、一方で、この十八年度十二月末現在の相談件数を見ますと、これは本年四月に、改正されました男女雇用機会均等法の施行が控えているということもありまして、これは昨年度同時期と比べますと、改正法に関する相談の増加が見られることから二六%増加しておるということで増減が見られておるところでございます。
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 その点についても更に積極的にお取り組みいただける方法があると思うんですけれども、例えば、この資料、三枚目にあるんですけれども、厚生労働省からいただいた業務要領です。ここに書かれております相談の方法として、電話、ファクシミリ、文書、電子メール、来室等いかなることでもよいこととございます。
 この中で、電子メールによる相談についてですが、今回お伺いした均等室では受け付けていないということでしたが、どのように御認識されているんでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) この男女雇用機会均等法等に関する相談につきましては、これは特にセクシュアルハラスメントや性差別に係る法的判断など、なかなか微妙な事実関係を含んだものが多いということで、できるだけ来室やあるいは電話等、詳細を聴取しながら対応していくということが基本であろうというふうに考えております。
 こういったことから、これまで積極的にこの電子メールでの相談を受け付けるような指導は私どもも国として行っていないところでありまして、現在、統一的に電子メールで受け付けるという対応はしていないのが現状でございます。
○島田智哉子君 これだけ電子メールが普及している中で電子メールの対応ができていないと。業務要領の中にもありますし、その中で対応していないというのはいかがなものでしょうか。
 私が聞く限り、今のシステムでも対応できるということですが、今後の対応はどのようにお考えでしょうか、武見副大臣。
○副大臣(武見敬三君) 御指摘の点、十分理解できるところではございますけれども、実は人員の体制の整備、それから都道府県労働局雇用均等室の現在のコンピューターシステムの中では、もし大量にメールで相談が来た場合に対応できないというふうに現状では認識されております。したがって、もし少量であれば恐らく対応できるのではないかと思いますが、それがもしかなりの量になっていった場合の対応能力は現在のシステムの中ではないんだというふうに私自身は今認識をしております。
 そうした中で、将来的に、こういった相談メールという形での相談業務ができるように考えていくことは将来的に必要であろうということも当然認識しておりますので、今後の課題として是非検討させていただきたいというふうに思います。
○島田智哉子君 当たり前のことなんですけれども、やはり相談者が置かれている状況やニーズに的確に対応していただくためにはそういったシステムの確立というものは是非ともやっていただきたいことでございますし、また本省と各地の均等室において緊密な連携が必要であるわけですけれども、その機能が果たしてなされているのだろうかと疑問を持たざるを得ません。是非とも職員の方々の意識を高めていただき、事務処理体制などの見直しも含めて御対応いただきたいと思います。
 そして、少子化には様々な要因があって、その一つ一つにきめ細やかな対策が必要であると思います。男性も女性も性別によって差別されることなく、そして子供を産み育てながら仕事も続けられるような職場環境の改善に向けて、雇用均等行政の果たすべき役割、ますます重要なものとなっていくことを深く認識する中で、そのためには更に、悩み苦しんでいる労働者の方々の立場に立った行政が行われますように、厚生労働省には緊張感を持って対応していただきたいと思いますが、副大臣、どうでしょうか。
○副大臣(武見敬三君) 今日のお話を伺って、実際に現地に視察されたときの現地の対応、また実際の具体的な中身、これらの問題を含めて、やはり私自身も相当改善の余地ありという認識を持ちました。また同時に、そうしたことは早急に是正しなければならないと考えておりますので、緊張感を持ってその指導に当たらせていただきたいというふうに思います。
○島田智哉子君 よろしくお願いいたします。
 終わります。

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最終更新:2007年03月07日 13:01