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オカシイ世の中覚え書き

2 小学校における英語教育の目標と内容・国語力の育成との関係

【国語力の育成との関係】

○ 小学校段階において英語教育を実施することについては、国語力の育成との関係を懸念する指摘が見られる。例えば、先述の英語教育意識調査によれば、小学校で必修とすることに消極的な回答をした教員や保護者の中で、「正しい日本語を身に付けることがおろそかになると思うから」と回答する者が約4割となっている。

○ 教育課程部会においては、言語を習得するということは、その人の論理に関わる重要な問題であって、物事を考えるときには日本語を用いて考えるので、ヨーロッパの言語を取り入れて、思考能力は大丈夫か慎重に考える必要があるとの意見や、小学校教育では、日本語を正しく使える、自分の思いをきちんと相手に伝えることができることが重要であるとの意見があった。

○ 外国語専門部会においては、英語を学習することは、国語力の育成と対立的にとらえるべきではないのではないか、広い意味での言語についての感覚が高まり、国語力の育成に良い影響を与えるということも考えられるのではないかとの意見が数多く示された。例えば、次のような意見である。
  • 英語を聞き、日本語と異なる音に触れることによって、日本語を注意深く聞こうとする態度が養われる。
  • 英語を用い、コミュニケーションの幅を広げることによって、他者に対して自分の思いを伝えることの難しさや大切さを実感することで、より積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度が養われる。
  • 高等学校の例ではあるが、英語のコミュニケーション能力を伸ばそうと活動する中で、日本語のコミュニケーション能力や自己表現能力が格段についた実感がある。
  • 英語の構造や語彙を学ぶことによって、言語に対する関心が高まり、日本語の構造や外来語等、日本語という言語に関する意識が高まる。

○ これまでの研究開発学校の取組や諸外国での聞き取り調査などにおいて、週1~2時間程度の英語教育を行うことで、国語力に支障が生じたということは把握されていない。文部科学省が実施したスクールミーティングでは、最近の子どもたちの一般的な状況としてコミュニケーションが取れなくなったという指摘があるが、研究開発学校の取組においては、英語を学ぶことにより、国語など英語以外の教科でも積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や、日本語できちんと話をしたり注意深く聞こうとする態度が養われたり、日本語という言語に対する意識が高まったりするなどの良い点があったとの指摘がある。

○ EUでは、言語教育の多様化を進めており、母語以外に2つの言語を学ぶべきであるとしている。そのための各国共通のカリキュラムのガイドラインとして「外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠」が作成されている。EUの「教育と学び(教育とトレーニングに関する白書)」においては、「他の言語に接すると母語が堪能になるのみならず、言語教育が母語の習得をも容易にする」とされている。

○ 外国語専門部会としては、小学校の英語教育を充実するに当たっては、次のような方向で検討することが適当であると考える。
  • 広い意味でのコミュニケーション能力を育成するための教育の一環として位置付けることが必要である。言語は他者との対話の手段であり、グローバル化した現代社会においては、異文化と共生するための対話という視点を含めて考えることが重要である。こうした大きな枠組みの中で、国語教育と英語教育とを積極的に結び付けて教育内容等を検討していく必要がある。
  • 日本語とは異なる英語という言語に触れることにより、言語の面白さや豊かさ等に気づかせたり、言語に対する関心を高めこれを尊重する態度を身に付けさせたりすることなどを通じて、国語力の向上にも相乗的に資するよう教育内容等を組み立てる必要がある。
  • 母語は、対話の手段であるともに、思考の手段であり、また、世代を超えて文化を伝達するなどの重要な機能を有する。日本人としての基盤となる国語力の育成は、すべての教育活動を通じて重視される必要がある。

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最終更新:2007年03月22日 01:21