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オカシイ世の中覚え書き

3 小学校における英語教育に関する教育条件・現状と課題

3 小学校における英語教育に関する教育条件

(現状と課題)

○ 既に構造改革特別区域研究開発学校で英語教育に取り組んでいる地方公共団体の条件整備を見ると、地域によって取組に相当の差が見られる。

○ 英語教育意識調査では、教員から、実施上の課題として、「ALTや英語に堪能な民間人など外部人材の確保」、「教材・教具等の開発や準備」、「小学校教員の英語力や指導力の向上」、「教員研修の充実」など、条件整備の充実を求める意見が多く挙げられている。

○ 英語教育意識調査の結果において、保護者、首長、教育長、校長・教頭等に比べ、一般教員において、小学校段階における英語教育の必修化に肯定的な者が少ないことの背景には、これらの条件整備面での課題があるためではないかと考えられる。

○ 小学校での英語教育について共通の教育内容を設定する場合、指導者、教材、ICT(情報通信技術)の活用等が極めて重要である。条件整備に当たっての具体的な課題として、以下に、指導者、教材と教具の問題、ICTの利活用について検討することとする。

【指導者】

①学級担任と担当教員

○ 教員の指導形態については、大別して、学級担任が主に指導する場合、担当教員(ここでは、英語を教えることを担当する学級担任以外の教員のことを言う。専ら英語教育を担当する専科教員を含む。)が主に指導する場合が考えられる。

○ 実施状況調査によれば、現在小学校で行われている英語活動の主たる指導者の9割強が学級担任である。
○ アジアにおいては、韓国やタイでは、近時担当教員が増加しつつあるが、一般に学級担任が指導している。

○ 学級担任が指導することについては、
  • 学級担任は、他の教科も担当しているので、国語や社会など、他教科と関連づけた英語教育を行うのに適している。また、総合的な学習の時間におけるこれまでの蓄積を生かすことができる。
  • 学級担任は、担当教員よりも子どもの実態をよりよく理解しており、子どもとの心理的距離も近い。
などの利点が指摘されている。

○ 担当教員が指導することについては、
  • 英語に関して相対的に高い技能を期待できる。授業計画の立案や題材の選択等に関して、内容豊富なものを作成することができる。
  • 他校との交流や、研修などに積極的に参加でき、より専門的な指導ができる。などの利点が指摘されている。

○ 学級担任及び担当教員は、英語の基本的な技能、英語を指導するための能力を身に付けることが求められる。

○ 英語の基本的な技能としては、例えば、身近な生活・文化関係の語彙、基本的な文法などが考えられる。

○ 英語を指導するための能力としては、例えば、小学校の英語活動への理解、所定の教材の活用方法や指導方法などが考えられる。

○ 国においては、このそれぞれについて、指導者に求められる内容や程度を明らかにする必要がある。

○ 英語の基本的な技能を身に付けるための研修としては、小学校教員が高等学校段階までに学習した英語の基本的な技能の保有状況を確認しつつ、既に獲得している語彙や既に身に付けている文法事項等の再習得、身近な生活・文化関係の語彙の習得、音声を含む基本的な英語運用技能の習得などが考えられる。

○ 英語を指導するための能力を身に付けるための研修としては、小学校の英語活動に関する教育法、校内研修等での模擬授業などが考えられる。

○ なお、小学校の英語活動の実施に当たっては、独立行政法人教員研修センターの「総合的な学習の時間(小学校英語活動)」研修講座(平成13年度から16年度実施)や、文部科学省の小学校英語活動地域サポート事業における研修講座(平成17年度から実施)に参画した小学校教員などを積極的に活用することが重要である。

②ALTなどの英語に堪能な人材の活用

○ 「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」においては、現行学習指導要領における総合的な学習の時間での外国語会話等の位置づけを前提としつつ、こうした活動を行っている小学校について、その実施回数の3分の1程度は、外国人教員、英語に堪能な者又は中学校等の英語教員による指導を行うことを目標として設定している。

○ 現在、例えば小学校6年生では、英語活動が、平均で年間13.7単位時間行われているが、そこでのALTの活用時間数は、平均で年間8.6単位時間となっている。割合としては、全授業時間数の約6割強において活用されている状況となっている。(ただし、この数値には、単学級での活動以外に複数の学級の合同授業が含まれている可能性があることを考慮する必要があり、条件整備の具体的な検討に当たってはさらに精査する必要がある。)

○ また、留学生や日本人で英語に堪能な人材など(地域人材等)については、その活用時間数は、全授業時間数の15%弱となっている。

○ ALTの活用事例としては、研究開発学校の実践例として、例えば、モジュール形式(45分授業でなく10分~30分程度のショートタイムの授業を組み合わせる授業形式。)により、ショートタイムでは情報機器を活用し、ロングタイムでは、ALTを活用するなどの工夫を行っている事例も見られる。

○ 英語教育意識調査によれば、小学校における英語教育の指導者としては、「小学校教員と英語を母語とする外国の人との組み合わせ」について、保護者で89.5%、教職員で85.7%が肯定的な回答をしている。「学級担任などの小学校教員」が単独で授業を行うことについては、肯定的な回答が、保護者で10.2%、教職員で39.9%となっている。

○ 小学校関係のALTの現状は次のとおりである。
  • JETプログラム(地方公共団体を事業主体として、文部科学省、総務省、外務省の協力のもとに推進)のALTについては、地方交付税措置が講じられている。配置されている人数は、合計で5,362人であるが、うち小学校専属ALTは121人である(平成17年7月現在)。
  • 小学校専属ALTに関する地方交付税措置については、平成17年度は対前年度400人程度の増員が行われた。平成18年度以降においては1,000人程度増員することが目標とされている。
  • 各地方自治体においては、既にJETプログラムによらずに、市町村独自でALTを配置したり、地域の英語に堪能な人材を活用したりしているところであるが、こうした人材を含めALT等の質の確保・向上のための研修の充実も必要である。

○ 外国語専門部会としては、今後、小学校における英語教育を充実するため、指導者及びその資質の向上、ALTなどの英語に堪能な人材の配置と活用について、次のような方向で検討する必要があると考える。
  • 小学校教員の英語指導力の現状を踏まえると、当面は学級担任(学校の実情によっては、担当教員)とALTや英語が堪能な地域人材等とのティーム・ティーチングを基本とする方向で検討することが適当と考える。今後、教育内容や指導方法の具体的な設計、研修による小学校教員の英語指導力確保の見通し、教材・教具の整備活用の見通し等を考慮しながら専門的に検討していく必要があると考える。
  • 学級担任及び担当教員に求められる英語及び英語教育に関する技能の内容と水準についてさらに具体化したうえで、現職教員研修のプログラムを開発・実施することが必要である。
  • 小学校における英語教育が充実の方向にあることから、教育課程上の位置づけなどを踏まえつつ、中期的な見通しを持って、大学の小学校教員養成課程における英語に関するカリキュラムの導入について、検討することが必要である。
  • 小学校における英語教育は、英語を用いたコミュニケーションを実際に体験させることによって、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、国際理解を深めることをねらいとするものである。このためには、外国人と直接コミュニケーションを行う機会をもつことは大いに有効であることから、ALTの一層の充実を図る必要がある。
  • その際、多様なコミュニケーションを体験するという観点からは、上記行動計画が指摘するように、ALTに限らず、留学生等の活用を含めて考えることが重要である。また、ALTに加えて、海外勤務経験のある者や、英語に堪能な地域の人材を、特別非常勤講師等として積極的に活用すること、中学校等の英語教員が支援・協力することも重要であると考える。

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最終更新:2007年03月22日 01:34