「アベがいうように、日本を「美しい国」にしようと思うなら、日本は歴史のかかわる問題に関して、告白すべきことは全部告白しなければならない。他の国々の人権問題についていろいろ言い立てようと思うなら、あの戦争の時代、日本政府が人権など全く無視した統治を広く行ってきたという事実を認めないなら、日本は偽善者呼ばわりされざるをえないだろう」(デイヴィド・ファウズ アジア太平洋安全保障研究センター)
また、日本版「ニューズウィーク」でも、独自の原稿として、ジョン・マロット元米国務省日本部長が寄稿した「今こそ未来を語れ」という文章を載せているが、それには次のようなくだりがある。
「日本政府関係者は、日米同盟がアジアの安定に役立っているという。しかし靖国問題や慰安婦問題、太平洋戦争にまつわるそのほかの諸問題に対する日本政府の言動は、アジアにおける両国の立場を弱めている。未来ではなく過去に目を向けてしまうからだ。 日米両国は、互いの軍事同盟さえ強固であればアジアでの影響力を保てると考えているふしがある。だがアジアのほかの国々を軽視すれば、日米同盟がアジアで孤立する要因となりかねない」
安倍首相とその閣僚たちがこれまでなにかというと弄してきた右翼ナショナリスト的言辞を今後とも吐きつづけているとどうなるか。安倍首相はじめ歴代の自民党首脳のすべてが言いつづけてきた「日本にとって何より大切な二国間関係」であるはずの日米関係をどんどん悪くする方向にいってしまう恐れが十分にあるのである。
安倍首相に対するアメリカの評価の低さは、今回の訪米に対するアメリカ側の対応の仕方にはっきりとあらわれている。評価の高さは、まずはブッシュ大統領がどれだけの日程を割いてくれるかに如実にあらわれるものだが、安倍首相がやっとの思いで手に入れられた時間は、40分程度である。その程度の時間で、なにか中身がある話をできるわけではない。安倍首相のほうでも、それに引きつづいての中東諸国歴訪の旅があるから、すぐにアメリカを立ってしまう。安倍首相の訪米はほとんどセレモニーだけで終わりのような訪米なのである。
最終更新:2007年05月06日 18:42