急性連鎖球菌感染後糸球体腎炎(PSGN) - まとめ


臨床症候
潜伏期
・連鎖球菌性咽頭炎後, 典型的には10-14日で発症する
・膿皮症後, 典型的には2-3週間で発症する.

・主な臨床症状・徴候
 ・血尿
 ・浮腫
 ・高血圧

血尿
・肉眼的血尿は30-70%の患者で認められるが, 顕微鏡的血尿はすべての患者に認める.
・肉眼的血尿は1-2週間後に改善して顕微鏡的血尿へ移行する.
浮腫
・水分と塩分の貯留により浮腫が生じる.
高血圧
・最大70%の患者で認められる.
・水分と塩分の貯留が原因で引き起こされる.
・通常, 高血圧の程度は軽度.
・血圧の正常化は排尿量増加や腎機能改善と相関している.


臨床検査
血小板
・血小板減少症を伴う事は稀.
 ・血小板減少と認める場合にはSLEやHUSを示唆している.

補体値
・副経路の活性化によりCH50とC3の著明な低下を認める.
・C2およびC4低下を伴う患者もいる.
・典型例では6-8週間以内に正常化する.
 ・低補体血症が持続する場合には膜性増殖性糸球体腎炎やループス腎炎を考慮する.
・一部の患者ではC1qに対する自己抗体(anti-C1q)が陽性であり, 陰性例と比較して陽性例ではより疾患が重症であった.

尿検査
・ほぼ全例で血尿と蛋白尿が認められる.
・赤血球円柱や変形赤血球の存在は糸球体が原因の血尿であることを示唆している.
 

最終更新:2014年09月11日 15:37