細菌性髄膜炎 - まとめ

 

臨床症候

てんかん発作
・発作は約20-50%の症例で起こり, Gram陽性菌が原因のものよりGram陰性菌が原因のものの方がより発生率が高い.

 

 

臨床検査

髄液検査
・ウイルス性髄膜炎や健常者と比較して, 細菌性髄膜炎の症例では髄液TNF-α, IL-6, IL-8は有意に上昇していたという報告がある (Prasad R et al. 2014)

画像検査
頭部MRI
・細菌性髄膜炎に罹患した12か月未満の児111人を対象とした研究では68%(75/111)で入院中にMRI施行され, 以下の様の所見が得られた(Carios R et al, 2014)
 ・軟膜増強(57%)
 ・脳梗塞(43%)
 ・硬膜下膿瘍(52%)
 ・脳炎(26%)
 ・水頭症(20%)
 ・膿瘍(11%)
・上記研究では81%の患者で異常所見を認めたものの, 19%(14/75)の患者では正常であった.

 

 

合併症
脳梗塞
・10-25%の症例で発症する.

硬膜下膿瘍
S. pneumoniaeおよびH. influenzaeが原因の細菌性髄膜炎は硬膜下膿瘍と関連している.
・Carlosらの研究では硬膜下膿瘍を発症した症例39例中, 12人(31%)はB群連鎖球菌が原因であった.

聴覚障害
・細菌性髄膜炎後に頻繁にみられる後遺症
・しばしばS. pneumoniae感染症と関連している.

 

管理

抗血栓療法(ATT)
・細菌性髄膜炎に合併した脳梗塞の症例で, 脳梗塞再発予防にATTが行われることがある.
・ATTが安全性があり, 有効性が示唆された報告がある(Boelman Cyrus et al. 2014)
 ・その報告ではアスピリンと比較してヘパリンの方が再発予防に効果があることが示唆された.

 

 

予後
・死亡率: 約15%

 

Reference
(1) Carlos R. et al. Brain Magnetic Resonance Imaging of Infants with Bacterial Meningitis. J Pediatr 2014; 165: 134-9

最終更新:2015年04月23日 11:31